レポート&コラム

大会史上初のボランティアが運営をサポート!のべ1,130名が参加!
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™

2023年4月6日
スポーツ グローバル
大会史上初のボランティアが運営をサポート!のべ1,130名が参加!<br>2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™

日本代表侍ジャパンの優勝で有終の美を飾り、過去最高の盛り上がりを見せたといわれる2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™。今大会は、大会史上初めてボランティアが大会運営をサポートしました。ぼ活!サイトで募集したのべ1,130名のボランティアが、3月6日と7日に大阪府と宮崎県で開催された「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合」と、9日~16日に開催された「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール」の3会場で活動しました。

ぼ活!では、3月12日に東京ドームで開催された試合を取材しました。

久しぶりの歓声!外国人対応で活躍したボランティア

コロナの影響で張り詰めていた空気もずいぶん穏やかになりはじめ、当日は天気にも恵まれました。雨天の影響がないドームでの試合とはいえ、晴天は参加者の意気をあげました。

侍ジャパンの試合は夜でしたが、チケットは昼の試合でも有効だったこともあり、ドームの外は午前から大いに賑わい、入場ゲートやグッズ売り場には長い列ができていました。また、コロナ禍の感染予防策が緩和され、3月12日の時点では、球場内の観客数の制限はなく、声だし応援もマスク着用で可能となっており、ドームには久しぶりに歓声が響き渡りました。

この日、午前中に活動したボランティアは96名。10~15名ずつのグループに分かれ、入場ゲートでの案内、特典グッズの配布、場内コンコースでの案内などを担当しました。

入場ゲートでの案内を担当した石橋紀香さんは「東京オリンピックのボランティアに参加した時は、選手のIDカードを作る役割でした。今回は観客のみなさんを相手にする活動で、一緒に会場の雰囲気を感じることができて嬉しかったです。あと今日は久しぶりに歓声を聞けたのが良かったです」と球場内の雰囲気を話してくれました。

今大会は、日本以外にも韓国、オーストラリア、中国、チェコの4ヵ国が出場し、外国人の方も多く来場されました。

そうした観客や障害のある人に対応するため、外国語や手話での対応が可能なボランティアは、「ENGLISH OK」「手話 OK」などのシールをウェアに貼って活動しました。大規模スポーツイベントなどでは、海外からの参加者の対応や案内は、ボランティアの大きな役割の一つであり人気の高い活動でしたが、コロナ以後、様々な制限により活動は減少していました。

今大会でも、ボランティアの参加動機として「英語を使った活動をしたい」や「海外から来てくれる観客をおもてなししたい」など、来場者のおもてなしを上げる方は多く、場内のコンコースでは、グッズショップの場所や自販機の購入方法を説明するボランティアの姿が見られました。久しぶりに、外国語を使っての活動ができるようになったことに喜びを口にするボランティアも少なくありませんでした。

石橋さんも、英語と韓国語の案内シールを貼って活動していました。

「今回の活動を通して、外国語が、もっとできるようになりたいと思いました。シールを貼って活動することに少し自信がなかったのですが、英語も韓国語も、もっと自信を持って喋れるようになって、いろいろな案内ができるようになりたいです」

子どもたちが大活躍!ボランティアをも笑顔にした親子ボランティア

また、11日と12日には、小学生以上18歳未満のお子さんとその保護者が一緒に活動する「親子ボランティア」も募集し、12日には19組の親子ボランティアが活動しました。

高野惣一さんは、7歳の篤志くんと一緒に参加しました。惣一さんは、10歳の頃からボーイスカウトでボランティア活動に携わって以来、30年以上ボランティア活動を続け、東京オリンピックや国内の様々なスポーツイベントでボランティア経験しています。

「子どもにお父さんがなにをしているのかわかるかなと思い、参加しました。今回のように親子ボランティアと銘打っていただけると参加しやすいですね」

一方、特典グッズの引き換えを担当した篤志くん。少し背伸びをしながら懸命にグッズを配布する姿は、観客の方々を笑顔にしていました。活動の最後には、「楽しかった!」と元気いっぱいな声でこたえてくれました。

今回の親子ボランティアは、ウェアも一般ボランティアと同じものを着用し、活動内容も各グループのボランティアリーダーが配慮しながら、一般ボランティアとほぼ同様の役割を担当しました。

最初は緊張気味だった子どもたちも、次第に大きな声で写真撮影を促したり、観客からの質問に堂々と答えたりと、大人顔負けの活躍でした。

あるボランティアリーダーは、親子ボランティアの活躍について「子どもたちが元気よく活動していると、大人もしっかり活動しなきゃと思いますね。子どもたちが、他のボランティアや私のグループ全体を盛り上げてくれていますよ」と教えてくれました。子どもたちの頑張りは、観客だけではなく、ボランティアたちも笑顔にしていました。

今回の親子ボランティアには、野球が好きという子どもや、親子も多く参加してくれました。

WBCのチケットがはずれて、親子で残念だと話していた時にボランティアの募集を見つけて応募したという岩見さん親子。

「球場の雰囲気だけでも見にいきたくて。試合を見ることはできなかったけど、みなさんのワクワク感を感じることができてよかったです」(母の嘉子さん)

「大好きな野球の観客対応ができて嬉しかったです。意外と難しかったけれど、いい経験ができて楽しかったです」(娘の杏樹さん)

大会史上初めての試みが、新たなボランティア層の開拓にも繋がっていました。

日本代表の優勝によって、最高の盛り上がりをみせた2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™。大会史上初のボランティアは、国際的なスポーツイベントでのボランティア活動の魅力を再認識するとともに、親子ボランティアの魅力を再発見した活動となりました。

TEXT by 益子義昭
PHOTO by 市川 亮

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