ボランティアの基礎知識

ボランティアって、そもそもどういう意味?意義や活動内容を簡単に解説

2024年3月1日
その他 医療・福祉 グローバル 災害 自然・環境 スポーツ
ボランティアって、そもそもどういう意味?意義や活動内容を簡単に解説

目次

そもそもボランティアってどういう意味?

段ボールに支援物資を仕分けるボランティアの様子

普段の暮らしでもよく耳にし、何気なく使っている「ボランティア」の言葉。それでも、その意味は?と聞かれると、うまく説明できないという方も多いかもしれません。ボランティア活動に関心があるならばぜひ知っておきたい、ボランティアの意味や定義などをご紹介します。

ボランティアの語源

ボランティアは、英語でvolunteer。その英語の語源は、ラテン語の「volo(ヴォロ)」や「voluntas(ヴォランタス)」にあると言われています。voloには「自ら〜する」という意味があり、voluntasは「意思」を意味します。つまり、ボランティアは「自分の意思で行動する」という意味が軸にある言葉なのです。

日本では「奉仕活動」と訳されることが多く、奉仕という言葉から、献身的に行うものや、善意で行われるもののように受け取られることも多くあります。しかし、本当のボランティアの意味は少し異なり、自分の意思が大切な活動ということなのです。
また、自分の意思で行うので、ボランティアは報酬を目的としない活動です。

ボランティア活動の定義

海岸でゴミを拾うボランティアの様子

ボランティア活動には、4つの原則があるとされています。ボランティア活動をする際に、自分自身がどうあるべきか、どんな姿勢で臨むべきかの参考にしてみてください。

ボランティア4原則① 自分の意思で行う「自主性・主体性」

ボランティア活動でまず大切にされるのが、語源にもあった、「自らの意思」です。ボランティア活動は、人からの強要や義務で行う意味合いのものではなく、自分のやりたいという意思に基づいて行う活動なのです。

ボランティア4原則② 人と支え合い学ぶ「社会性・連帯性」

ボランティア活動は、社会に存在する様々な課題の解決に取り組む活動です。また、たくさんの人と接し、助け合いながら活動します。困っている人の視点に立ったり、一緒に活動する人と話したりすることで、社会に存在する課題に気づき、改善のための行動を起こすきっかけになることもあります。

ボランティア4原則③ 報酬を目的としない「無償性・無給性」

繰り返しになりますが、ボランティア活動は自主的なもののため、報酬や賃金を得ることを目的にはしていません(ただし、交通費や食費、材料費などの実費は無償の範囲として支給される場合があります)。報酬はなくても、活動を通して人との出会いや喜び、達成感、成長などさまざまなものを得ることができます。

ボランティア4原則④ 自由な発想で取り組む「創造性・開拓性・先駆性」

ボランティア活動は、ひとつの正解や答えがあるものではないため、従来の考え方や方法にとらわれる必要はありません。目の前の課題に何が必要で、どうすれば改善できるのかを、自由な発想やアイデアをもとに考え、行動していくことができます。

ボランティア活動を行う意味

ボランティアの語源や4原則の意味を見ていくと、ボランティア活動は自分の意思が大切であるということがよくわかります。それが困っている人の助けになり、人々が暮らしやすい環境を整えることににつながります。また、参加する人は活動自体が楽しみになったり、達成感や充実感が得られたり、人とのつながりが広がることでも喜びを感じられます。ボランティア活動は、自分の世界を広げ、社会のためにもなることができる、大きな意義と意味のあるものなのです。

ボランティアってどんな活動があるの?

海岸でゴミ拾いを楽しむボランティアの様子

ボランティアの語源や意味・意義を学びましたが、実際にはどのようなボランティア活動があるのでしょうか。日常的に行われている活動や、イベント開催時の単発や不定期のもの、そして災害発生時の支援など、様々なものがあります。
ここでは、いくつかのボランティア活動の例をご紹介します。ご自身のできそうなものを探してみてください。

ボランティア活動① ゴミ拾いや清掃活動

街中でゴミ拾いを行うボランティアの様子

ゴミ拾いや清掃活動は、街中や公共施設、山や海などで掃除をしたり、落ちているゴミを拾ったりするボランティア活動です。全国各地で定期的に行われている活動もあり、特別な技術や道具は不要のため、参加しやすいボランティア活動のひとつです。最近では散策を楽しみながら、あるいはダンスを楽しみながら、といったイベント性のあるゴミ拾いボランティア活動も増えています。

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ボランティア活動② 高齢者・障害者を対象とした活動

高齢者・障害者を対象としたボランティア活動は、介護施設や福祉施設で、高齢者や障害がある方々のレクリエーション活動の進行やサポートにあたったり、話し相手になったりします。また、家庭を訪問しての身の周りのお世話や、買い物などのお出かけに同行してのお手伝いなどもあります。

ボランティア活動③ 子どもや青少年を対象とした活動

子どもや青少年を対象としたボランティア活動は、児童養護施設や児童館、フリースクールなどでのレクリエーション活動や野外活動、学習支援、読み聞かせなどです。近年増えている子ども食堂での調理や、子どもたちのサポートもあります。

ボランティア活動④ スポーツ分野での活動

スポーツ分野でボランティアを行う様子

スポーツ分野でのボランティア活動は、市民向けの運動会やスポーツ大会での設営や受け付け、選手・観客の誘導、給水サポートなどがあります。そうしたイベントのときだけではなく、地域のスポーツクラブや団体の運営を手伝ったり、そのスポーツを教えたりと、定期的に行えるものもあります。

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ボランティア活動⑤ 災害で被災した方を支援する活動

災害で被災した方を支援するボランティア活動は、地震や洪水などが起きた地域で、がれきの撤去や分別、室内の泥だし・清掃、炊き出しなどを行います。また、災害ボランティアセンター運営の手伝い、傾聴活動サロン活動で被災者の話し相手になるといったものもあります。
現地に行くことができなくても、物資の送付や募金などで協力するボランティア活動にも意義があります。

災害ボランティアのレポートはこちら
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ボランティア活動⑥ 海外での活動

海外でのボランティア活動は、現地に出向いて学校や施設を訪問し、教育や健康・医療の支援活動にあたるものがあります。上でご紹介したゴミ拾いやスポーツイベント、災害支援のボランティア活動を海外で行う場合もあります。

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ボランティア活動を行ううえで大切なこと8選

農業の場で集合写真を撮るボランティアたち

参加してみたいボランティア活動が見つかった方もいるのではないでしょうか。申し込みなどの準備を進める前に、ボランティア活動をするうえで大切なこと、心がけたいこともチェックしておきましょう。

ボランティアで大切なこと① 身近なことから始めよう

馴染みのない場所で初めてのことをするのは緊張してしまうという方も多いのではないでしょうか。大きなストレスや疲れを感じてしまうと継続が難しくなるので、まずは地元で行われているゴミ拾いなど、身近なものからとりかかりましょう。
また、普段は自分が意識していないことも、気をつけて見てみたり、違う人の立場に立って見てみたりすると、問題や困りごとに気づけるかもしれません。そして、少しの工夫で解消できることもあります。それも立派なボランティアで、意義のあることです。

ボランティアで大切なこと② 楽しんで活動しよう

ボランティア活動は、時間や経験を提供するという奉仕行為だけにとどまりません。あたらしい仲間に出会えたり、あたらしい価値観に触れたり、思いも寄らない好奇心に気づく瞬間があるのも、ボランティアの良さです。そんな非日常的な体験や瞬間を、ぜひ楽しみながら活動しましょう。

ボランティアで大切なこと③ 無理をしないようにしよう

ボランティア活動は、すぐに効果が現れるものではありません。継続して活動することに意義があり、それによって次第に成果が現れてきます。なにか大きなことや変わったことに取り組まなければと焦ることなく、自分の能力に合わせて計画を立て、少しずつ進めていきましょう。
また、活動現場で無理をしないのも大切です。ついつい張り切ってしまいがちですが、自分の体調などと相談し、休憩しながら無理のないペースで活動しましょう。

ボランティアで大切なこと④ 周囲と相談し、理解しあって活動しよう

ボランティア活動は、自分一人でできるものではありません。家族や友人、学校・職場などの理解を得て協力してもらうとともに、相手の理解があって初めて活動が成り立ち、意義のあるものになります。

ボランティアで大切なこと⑤ 多くの人と協力し連携をとろう

ペンを持って黄色いユニフォームを着たボランティアたち

ボランティア活動は、特別な人が特別な活動をしているわけではありません。効果的に行っていくには、地域のことをよく知り、関係機関や団体、ほかのグループなどと連携を取り、活動を広げていくことも大切です。そのためにも、自分たちのグループの活動内容や状況を定期的に見つめ直すことも必要になります。

ボランティアで大切なこと⑥ 相手に合わせて活動しよう

ボランティア活動には相手がいます。その相手がどういう気持ちでいるのか、なにを求めているのか、確認し理解することが大切です。十分に話し合いをし、相手の声に耳を傾け、気を配りながら活動していきましょう。

ボランティアで大切なこと⑦ 約束と秘密は必ず守ろう

ボランティア活動は相手との信頼関係が土台となります。ボランティア活動を行うのであれば、約束は必ず守ることが基本です。また、活動を通して知ったプライバシーなどに関わる情報は、決して他言しないことが絶対条件です。

ボランティアで大切なこと⑧ 安全に注意しよう

災害ボランティアなど、活動の内容によっては、事故のリスクが高い活動もあります。また、屋外の活動では、熱中症の危険もあります。万が一に備えて活動場所の点検をし、事故や怪我が起きた場合の対応も考えておきましょう。活動前には、ボランティア活動保険に加入しておくと安心です。

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参考資料
・社会福祉法人福島県社会福祉協議会,“そもそも、「ボランティア」ってどういう意味ですか? いつ頃から日本に登場したのでしょう?”
http://pref-f-svc.org/archives/7288(参照2023‐2‐20)
・gooddo株式会社,“ボランティアとは?定義や活動内容などを簡単に解説”
https://gooddo.jp/magazine/donation/22552/(参照2023‐2‐20)
・東京ボランティア・市民活動センター,“ボランティア活動、4つの原則”
https://www.tvac.or.jp/shiru/hajime/gensoku.html(参照2023‐2‐20)
・厚生労働省,“ボランティア活動”
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/volunteer/index.html (参照2023‐2‐20)
・社会福祉法人東海市社会福祉協議会,“ボランティアの5つの基本”
http://www.tokaisyakyo.jp/volusen/what_volucen.html (参照2023‐2‐20)
・吉野川市社会福祉協議会,“ボランティア活動大切にしたい10の心がけ”
http://www.yossya.jp/volunteer/importance.htm (参照2023‐2‐20)