レポート&コラム

【withコロナ vol.12】「コロナ時代のボランティア②」~新型コロナウイルスに対する基本的な感染予防対策とは

2020年10月30日
その他
【withコロナ vol.12】「コロナ時代のボランティア②」~新型コロナウイルスに対する基本的な感染予防対策とは

前回は新型コロナウイルスについて、その特徴や主な感染原因、どういった場所のリスクが高いのかなど、基本知識な知識のほか、対策として手洗いやマスクの着用、ウイルスに負けない体づくりについて学びました。

続いて、新型コロナウイルス感染症対策の最前線ではどのような指導をしているのかを知ろうと、8月の初旬、感染症の対応で大変お忙しくされているみなと保健所(東京都港区)へ伺い、保健師の方から感染症対策についてお伺いしました。また、そこで出会った港区の感染症アドバイザーである堀成美さん(公益社団法人 東京都看護協会 危機管理室 アドバイザー)に、後日開催した研究会にご登壇いただきました。

今回はみなと保健所でのヒアリングや、研究会での堀さんのお話しから学んだことをお伝えします。
(※記載されている内容は研究会を開催した8月26日時点での情報をもとにしています)

新型コロナウイルス感染予防対策の基本的な考え方

新型コロナウイルスの感染を予防する考え方として私たちの印象に残ったのは「100%感染を防ぐことはできない」ということでした。日常生活をおくる上で、人と接する場面や不特定多数の人が触ったモノに触れる場面が必ずあるはずです。どれだけ対策をしていても、ウイルスがある限り、いつでも、誰でも感染のリスクはあるものです。

そこで重要になってくるのは「感染者を責めないこと」だそうです。感染した人は体調が悪いのはもちろん、社会からの批判に対する恐怖など様々な不安と戦っています。感染者が責められてしまうことで、感染していることを言い出せないまま日常生活を続けてしまう人が増え、一層ウイルスが広がってしまう恐れもあります。感染が判明した人を責めるのではなく、安心して治療に専念してもらうことがお互いを守ることにつながります。

ボランティアの現場では、多くの人とともに活動し、様々な方と接します。どれだけ対策をしていても感染リスクをゼロにすることは困難だということを前提に、「もしかしたら自分も感染するかもしれない」ということを念頭に、少しでも体調が悪ければ活動に参加しないという意識を持つとともに、体調不良を申告しやすい雰囲気を作りましょう。仲間が感染した場合は、いたわりの気持ちをもって、安心して休んでもらうことが感染症対策の第一歩です。

感染を防ぐ基本的な対策

誰もが感染する可能性があることを理解した上で、大切になってくるのは具体的な予防対策です。しっかりとした対策を実施して、できる限りリスクを減らしましょう。

では、どういった対策が効果的なのでしょうか。それは「基本的な対策を徹底する」ことだそうです。新型コロナウイルスの感染原因は「接触」と「飛沫」なので、この二つの観点から基本的な対策を教えてもらいました。

①接触感染について

接触感染は、ウイルスが付着したモノを触った手などで目や鼻、口などに触れて、体内にウイルスが侵入し、増殖してしまうことを指します。これを防ぐためには、手を清潔に保つ必要があります。そのために最も効果的なのは「手洗い」です。手洗いができない場合はアルコール消毒が重要です。外出時などですぐに手洗いできない場面ではアルコール消毒を行いましょう。

また、ボランティア活動中には、多くの人と接触する場面があると思います。「写真を撮ってください」とカメラを手渡されたり、握手やハイタッチをする場面があるかもしれません。人と接触をしたり、他人と共有する物を触ることに対して過剰に心配する必要はありませんが、その後に手をしっかり洗ったり、目や鼻、口を触らないように気を付けましょう。

また、活動中には近くに手洗い場が無い場合があると思います。そういった時に持ち運びできるアルコール消毒液があると便利ですね。手洗いとアルコール消毒を使い分け、食事の前などは特に手を清潔にすることを心がけましょう。

②飛沫感染について

飛沫感染は、くしゃみや咳をした際に、ウイルスが付着した唾などの飛沫が目や鼻、口の粘膜に付着して体内に侵入し、ウイルスが増殖してしまうことです。これを防ぐためにはマスクが最も効果的です。マスクには飛沫から守るほかに、飛沫を飛ばさない効果があります。人と話すときはマスクを着用するか、あるいは1m以上の距離を取ることが予防のポイントです。

ただ、マスクを常時着用することは息苦しさを感じたり、夏場では熱中症になる危険があります。近くに人がおらず、話すことが無い場合はマスクを外しても問題は無いので、必要に応じて着脱するようにしましょう。

また、ボランティア現場では、多くの人と話す場面があります。休憩中は気が緩んでしまい、マスクを外しておしゃべりに夢中になってしまう場面があるかもしれません。そういったところはリスクが高くなるそうです。会話をするときは距離をとるか、マスクを着用して自分と相手を感染リスクから守ることを心掛けましょう。

感染を防ぎながらボランティア活動を楽しむために

ボランティア活動の醍醐味は仲間との出会いや色々な人とのふれあいです。まずは誰もが感染するリスクがあることを理解し、体調が悪いと感じたら治療に専念できる雰囲気をつくって、お互いを守る意識を持ちましょう。

そして、コロナ禍においても人とコミュニケーションを取ることを必要以上に恐れずに、基本的な対策を徹底することを意識しましょう。「手洗いやアルコール消毒を正しく行う」「人と会話するときはマスクを着用するか、距離を取る」などの対策を実施することで、安心して活動することができます。

正しい知識を身に着け、対策を徹底することで、今までと同じようにボランティア活動を楽しむことができるようになります。

堀先生による手指を清潔にするためのポイント

堀先生によるマスクを着用・外した際のポイント

ボラサポ 二宮 雅也 参与 (文教大学准教授)のコメント

基本的な感染対策として、飛沫感染、接触感染のそれぞれの特徴を理解することが、まずは大切になります。特にボランティア活動では、休憩時にどうしてもマスクを外して飲食をすることが多くなることから、感染のリスクが高まります。休憩時間は、ボランティア同士のとても楽しみなコミュニケーションの時間です。休憩時にも飛沫と接触に気を配ることを、心がけましょう。

気をつけながら活動していても、もしかしたら感染してしまうかもしれません。目に見えないウィルスは私たちみんなにとって、本当に驚異の存在です。そして、気をつけていても感染した人は、本当にショックをうけています。また、強い反省の念をいただく人もいるかもしれません。私たちがwithコロナを生き抜くためには、感染した人を責めるのではなく、いつでも誰にでも起こり得ることとして、受け止めることがとても大切になります。

共に活動を楽しむために、互いを思いやりましょう!

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