日本財団ボラセンでは、ボランティア活動を通じて、多様性あふれる、優しい社会づくりに貢献したボランティアや団体に感謝とエールを贈ることを目的に、「ぼ活!MARCH AWARD 」を新たに創設しました。初の開催となった2023年の受賞者を紹介します。
ぼ活! MARCH AWARDとは
「ぼ活!MARCH AWARD」は、多様性あふれる、優しい社会づくりに貢献したボランティアや、ボランティア活動を支援する団体に感謝とエールを贈るアワードです。
「MARCH」という言葉には、本アワードの表彰を実施する「3月」という意味の他に、「堂々と進んでいく」「明るく引っ張っていく」という意味があります。ボランティア活動を通じて、より明るくポジティブな未来づくりの輪を広げていきたいという願いを込めて2023年に新たに創設しました。
選考基準
「ぼ活!MARCH AWARD」は、団体表彰と個人表彰の2つのカテゴリーに分かれています。
団体表彰は、ボランティア活動を行う団体やボランティアを支援する団体の中から、「先駆性・独自性」、「発展性」、「連続性」、「継続性」の選考基準をもとに、表彰選考委員会で選考された団体です。
個人表彰は、他のボランティアの模範となるリーダーシップや、活動への想いなどのストーリー等の選考基準をもとに、表彰選考委員会で選考されたボランティアです。
初の開催となった2023年は、団体表彰2団体、特別表彰1団体、個人表彰117名が受賞しました。
団体表彰
特定非営利活動法人 海さくら
団体紹介:
「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!」を合言葉に、2005年から神奈川県の江の島でビーチクリーンを続けるゴミ拾い団体。江の島の海に、かつて生息していた「タツノオトシゴ」が戻ってくるようなキレイな海にすることを目標に掲げ、「楽しく」「楽しめる」活動を継続している。
受賞コメント:
「みんなで力を合わせれば『江の島にタツノオトシゴが戻ってくる』と信じ、ゴミ拾い活動を始めて今年で18年目になります。笑顔で前向きに活動を続けてきました。これからも楽しく海をきれいにしていきたいと思います」
The Social Work Hub
団体紹介:
オーストリア・ウィーンに拠点を置く国際団体。2015年に発生した「ヨーロッパ難民危機」を契機に立ち上げられ、現在は、ウクライナ避難民支援として、避難民一時滞在施設の運営や、高齢者や障害のある人の避難サポートを様々な団体と連携しながら行っている。2022年には日本財団ボラセンが日本から派遣した101名の学生ボランティアを受け入れ、ポーランドやオーストリアでの活動の場を提供した。
受賞コメント:
「この度は、素晴らしい賞をいただきありがとうございます。とても光栄です。私たちは、ボランティアなど多くの人々と共にこの賞をいただけたことを嬉しく思います」
特別表彰
特定非営利活動法人日本スポーツボランティアネットワーク
NPO法人日本スポーツボランティアネットワークは、2023年3月末での解散が決定しているため、特別表彰として表彰
団体紹介:
全国で活動するスポーツボランティア団体間のネットワークを構築し、ボランティアに関する情報の共有や協働事業を推進する団体。2012年からスポーツボランティアを養成する研修会を全国で開催し、これまでの受講者は2万人を超える。
受賞コメント:
「11年間『スポーツボランティア文化を日本に醸成させよう』という想いを持って、全国の素晴らしいスポーツボランティアの皆さんと一緒に、この活動を築き上げてきました。私たちを支えてくれた仲間たちに感謝を伝えるとともに、この受賞を報告したいと思います」
個人表彰(五十音順、敬称略、氏名下は受賞コメント)
飯山貴仁
「8年半前に事故で足を失って電動車椅子で再スタートしました。健常者の考えと障害者の考え、僕は二つ持っています。4月からまた新しいスタートをしたいです。何度でも!」
石井佳子
「ボランティアの方々が、ダウン症の息子に丁寧に接してくれています。一生懸命自分で何かを伝えようとする彼の姿を見ると涙が出そうになります。この子の成長が楽しみです」
伊藤香苗
「ぼ活!は国際色豊か、障害の有無も越えているというか、壁がない世界というか、それがすごく楽しかったです。興味があったらまず申し込め!やりたい気持ちが一番だと思います」
加藤圭寿
「ボランティア活動では「継生」を意識しています。言葉には複合的な意味を込めています。受け継ぎ、次世代に繋げて、子供達にも生きる、生むということを考えてほしいと思って活動しています」
クルズエイドリアン
「受賞を聞いた時、とても驚きました。今回のアワードを目標にボランティア活動を続けていたわけではありませんが、今回の受賞はとても嬉しいです」
新開 旭
「表彰していただくことは、私自身がどうのこうのっていうよりも、一緒にいつもボランティア活動をされているみなさんのおかげだと思っています。この場を借りてみんなに感謝したいです」
スタントイルワン
「いままではスポーツボランティアが多かったけど、今年は新しい様々な分野のボランティアにチャレンジしてみたいです」
陳 利
「私は外国人なので地元の日本語教室に通っていました。日本語教室の先生もボランティアでした。だから、できることをやりたい。周りの人の力になりたいです」
豊見永ゆかり
「初めて参加するときは勇気がいる、恥ずかしいところもあるかも。始めてみれば楽しいことが多く、世界中の人と知り合いになれます。まずはトライしてみるのが大切です」
平山清彦
「これからもいろんな方の笑顔が見られるようにボランティア活動を続けていきたいです。笑顔、それがボランティアをやる一番の動機です!」
福田ひろ枝
「ボランティア活動でみなさんにお会いすることが多くて人生の宝物が増えました。豊かになりました、本当に。だから私に会いに来て!」
藤山瑞恵
「子供が手を振るだけで大人は笑顔になる。親子ボランティアで参加して表彰されたこと、意味あることだな、伝えていっていいことだなと改めて思えました」
峯田義之
「いろいろな活動の場を知ることで生活のベースが広がり、生き方が豊かになる気がします、私自身がそうでした。まずはやってみよう!」
森脇亜由美
「聴者、ろう者関係なくいろんな人がいるけど、ボランティアとして平等に同じところを目指す。向かうゴールは同じです!」
山内大夢
「ボランティアを受ける方もやる方も、僕が笑顔にしていくってことを意識しています。とにかく明るく楽しく参加してみてほしいです」
吉田三保
「今年65歳で定年になります。活動内容は選ばずに、自分ができること、自分にある時間を使ってどんどんボランティアに参加して社会に恩返しをしたいと思っています」
The Volunteer Program for Ukraine 参加者101名(代表者 童 児夢)
「人と人が殺し合う現実のなかでボランティア活動を行いました。人はお互い支え合って、助け合って生きていく。そういう未来を信じています」
Volunteer’s Summit2023で行われた表彰式
「ぼ活!MARCH AWARD2023」の表彰式は、3/3(金)に国立競技場で開催された日本財団ボラセン主催のカンファレンス&アワードセレモニー「Volunteer’s Summit 2023」内で行われました。
特別ゲストとして、日本財団HERO’sアンバサダーで元全日本女子バレーボール代表の大林素子さんが参加され、受賞者には、表彰状を贈呈したほか、個人表彰者には副賞として、これからもボランティア文化を広める歩みを続けていってほしいという願いを込めて、オリジナルスニーカーを贈りしました。
個人表彰を受賞した代表者6名とのトークセッションにも参加した大林さんは
「オリンピックや国体など、現役時代は多くのボランティアに支えられた」
と振り返りながら、
「これまでは、無意識にボランティア活動に取り組んできましたが、今回受賞されたみなさんの活動場所で一緒に活動しながら、いろいろなことを学びたいです」
と今後の活動への意欲を語りました。
日本財団ボランティアセンターの参与で、今回ファシリテーターを務めた、文教大学の二宮雅也教授は
「本来は、今回表彰された方だけではなく、全国で活動する全てのボランティアを本当は表彰したい」と語り、最後に「ボランティアの語源は『volo(ウォロ)』英語のwillの語源でもあります。ボランティアは『未来のための活動』であり、今回受賞された方々のお話しを聞き、全てのボランティアが『未来に向かっている』共通点で繋がっていることを再認識できました」
と総括し、Volunteer’s Summit 2023は閉幕しました。