レポート&コラム

東ティモールに3,000点の衣類を配布、10月から学生ボランティア派遣プログラムを開始

2024年8月13日
グローバル
東ティモールに3,000点の衣類を配布、10月から学生ボランティア派遣プログラムを開始

日本財団ボランティアセンター(以下、日本財団ボラセン)は、日本のアパレル企業から寄付された3,000点の衣類を東ティモールに発送し、大統領府を通じて東ティモールの人々に配布しました。7月18日には、日本財団ボランティアセンターの山脇康会長が首都ディリを訪問し、在東ティモール日本国大使館の木村徹也大使と共に、ラモス=ホルタ大統領と会談を行い、衣類の配布と10月から開始されるボランティアプログラムについて報告しました。

現地訪問の様子や、10月から日本財団ボラセンが新たに開始するボランティアプログラムについて紹介します。

アジアで一番若い国 東ティモール

東ティモールは、インドネシアの東、オーストラリアの北に位置し、東南アジアで最も東に位置する国です。2002年に独立したアジアで最も若い国でもあります。

国土は、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)とほぼ同じ広さで、透明度の高い青い海に囲まれ、内陸部には2,000m級の山々が連なる美しい自然が魅力です。人々は温かく親しみやすく、家族やコミュニティの助け合いを大切に暮らしています。人口約134万人のうち約4割が15歳以下で、平均年齢20.8歳は世界的にも低い年齢水準です。若い世代が多く、未来に向けた大きな可能性を秘めていることも東ティモールの特徴の一つです。

東ティモールの沿岸部 撮影した海とビーチ
東ティモールの山間部 山とヤギの群れ

東ティモールの社会活動家 ベラ・ガルヨスさんとの出逢い

日本財団ボラセンと、東ティモールの関係が始まったのは、日本財団ボラセン海外プログラムのパートナー団体である「一般社団法人Earth Company」の紹介で、東ティモールの社会活動家、ベラ・ガルヨスさんを知ったことからです。

「Earth Company」が長年支援するベラ・ガルヨスさんは、元大統領補佐官であり、現在は女性やLGBTQ+の人々を支援する大統領府公式プロジェクトを運営しています。イギリスの放送局 BBCが毎年発表する社会に影響を与えた「100人の女性」の2023年版にも選出されています。
(活動の詳細は、こちらのEarth CompanyのWEBサイトをご確認ください)

2023年9月には、日本財団ボラセンのスタッフが東ティモールを訪れ、ベラさんの活動や紛争の影響で貧困や経済的格差に苦しむ人々の生活や東ティモールの現状を知りました。今回の衣類の配布先を検討する中で、ベラさんに相談したところ、大統領公認プロジェクトとして衣類を受け入れていただくことが決まりました。

衣類の発送にぼ活!ボランティアが協力

衣類の発送には、ぼ活!で募集したのべ45人のボランティアが協力しました。

発送の活動に参加したボランティア1日目
発送の活動に参加したボランティア2日目
発送の活動に参加したボランティア3日目

ボランティアの方々は、寄付を受けた新品の衣類を一つずつ開封し、状態を確認しながら、半袖のTシャツ、長袖やコート、帽子、靴など、種類ごとの選別や、税関への提出書類の作成などを行いました。最終的には、3日間の活動で約3,000点の衣類を91個の段ボールに再梱包し、2024年4月下旬に船便で東ティモールに発送しました。

東ティモールへの発送に向けて梱包作業活動の様子
東ティモールに発送する衣類を確認する風景
東ティモールに向けて発送する前に積み上げられたダンボール

そして、2024年6月上旬に東ティモールに無事到着し、大統領公認プロジェクトとして大統領府から現地の人々への配布が開始されました。

東ティモールに到着したダンボールと、積み下ろしを行う現地スタッフ

山脇会長とスタッフが現地を訪問

現地に衣類が無事到着したことを受け、山脇康会長とスタッフが東ティモールを訪問し、今回の衣類配布についての報告と協力のお礼を伝えるため、7月18日にはラモス=ホルタ大統領と会談しました。会談には、在東ティモール日本国大使館の木村徹也大使も同行いただきました。

木村徹也大使、ラモス=ホルタ大統領、山脇康会長
(左から)木村徹也大使、ラモス=ホルタ大統領、山脇康会長
会談の様子

会談では、ラモス=ホルタ大統領から配布に関する感謝の言葉をいただきました。

「今回の衣類配布には感謝しています。東ティモールも、山間部は寒いです。
私が毛布を使ったり、セーターを着たりするような寒いときにも、子どもたちは半袖で過ごすこともあります」

赤道に近く年間平均気温は約30℃の東ティモールですが、内陸部では標高1,000m~1,500mの場所で生活する人々もおり、そうした地域では朝晩は冷え込むため、今回の配布衣類でも長袖や厚手の服が喜ばれました。会談では、衣類配布の報告の他にも、ボランティア活動や東ティモールの経済に関することなど、様々な意見交換が行われました。

会談終了後には、大統領府の呼びかけによって集まった女性や子どもたちに、山脇会長と木村大使より衣類が贈られました。

山脇会長が寄付衣類を現地の女性に渡す
山脇会長が寄付衣類を現地の子どもに渡す
集合写真

東ティモールの子どもたちを明るい未来に導くために

日本財団ボラセンでは、10月と11月に学生ボランティアを東ティモールに派遣する「子どもと未来を創るソーシャルアクションキャンプ in 東ティモール」 の参加者を募集しています。

貧困や格差、医療体制などの社会インフラの整備が不十分など、現在も様々な課題を抱える東ティモールですが、特に大きな課題となっているのが教育です。

急速に増加する子どもの数に対して、学校の施設や教員が不足しており、全校生徒が一度に通うことができません。そのため、低学年は午前授業、高学年は午後授業など、学校全体を半分ずつに分けて授業を行うなど、教育の質や学びの機会が制限されています。その他にも、中退率の高さなど様々な課題も抱えています。

今回のボランティアプログラムでは、東ティモールの子どもたちに向けて、学生ボランティアが得意なテーマ(例:スポーツ、語学、算数、工作など)を教えたり、交流を通じたりして子どもたちを明るい未来に導く活動を行います。

また、東ティモールは国連や国際社会による支援の成功モデルの一つであると言われています。国連の平和維持活動(PKO)や多くの国際機関やNGOの連携によって、平和構築や紛争からの復興が成し遂げられました。社会課題の更なる解決に向け、現在も多くの国際機関が支援を行っています。

今回のプログラムの中では、現地で支援活動を行う複数の国際機関の活動現場の見学を行い、国際協力や支援の最前線を学ぶ機会も提供します。

さらに、現地の大学生や地方で暮らす人々との交流も行い、東ティモールの現状や文化を体感できる10日間のプログラムです。

派遣期間は、10月13日(日)~22日(火)の第1陣と11月3日(日)~12日(火)の第2陣の2回で、各10人ずつ合計20人を派遣予定です。応募は、8月22日(木)17時まで日本財団ボラセン公式サイトぼ活!で受け付けています。

プログラムの詳細や、応募方法は、下記URLをご確認ください。

子どもと未来を創るソーシャルアクションキャンプ in 東ティモール サムネイル画像

第1陣
https://vokatsu.jp/event/1721798888375×926345495565566000

第2陣
https://vokatsu.jp/event/1721807534359×307162449498341400

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