日本財団ボランティアセンターが、5月から開始した学生ボランティアをウクライナ周辺国に派遣し、避難民支援活動を行うプログラム「The Volunteer Prpgram for Ukraine」が、10月に終了しました。最終的に、全7回101名の学生を派遣し、オーストリアとポーランドで支援活動を行いました。
プログラムの終了にあたり、参加学生の感想と、各グループの活動概要を紹介します。
参加学生の感想(一部抜粋)
内田 雅子(Group7参加、早稲田大学 社会科学部社会科学科 4年)
「困っている人を助けたい」という思いで、ボランティアに行ったはずなのに、むしろウクライナの方からもらうものの方が多かった気さえします。ありがとうという言葉や、「わざわざ日本から来てくれてありがとう」という励まし・人の温かさがいつも私の原動力になって、もっと頑張りたいという気持ちになりました。
蟹沢川 荘(Group4参加、都留文科大学 文学部比較文化学科 4年)
自分にとって印象深かったのは、荷物を運んだ後 “I don’t have anything” と言いながらキャンディーをくれた女性です。
自分に優しさをくれる一方で、その悲しそうな瞳の奥にある思いにも想像力を駆使する重要性を感じました。同時に、この方々の持つ優しさや強さは侵攻下だからこそ持ち合わせているのかもしれないと思いました。
メディアから得る情報は、避難民の人数や死傷者数といった数字でしかありませんが、そこには人間がいて、一人一人に大切な誰かと毎日を懸命に生き、それぞれ深い思いがあるということを一番に伝えたいです。
水流 実咲(Group1参加、立教大学 文学部キリスト教学科 3年)
避難民一時滞在施設で滞在する子どもたちが、私たちのことを知ろうとしてくれて、日本を表現する手のサインだったり、名前だったり特技だったり、必死に伝えてくれたことが本当に嬉しかったのを覚えています。
ウクライナ語と日本語、お互いの言語が分からなくてもここまで楽しく会話できるのだと初めて知りました。私は絵を描くことが好きなので絵を一緒に描いて、自分が描いた絵を次の日の朝にわざわざ持ってきてくれる子もいました。
各グループの派遣概要
Group1
派遣期間:2022年5月30日~6月16日
派遣人数:15名
Group2
派遣期間:2022年6月13日~29日
派遣人数:15名
主な活動内容:
主に、ポーランド・プシェミシルの避難民一時滞在施設にて活動し、学生ボランティアたちは、施設の清掃、支援物資の配布・管理などを担当しました。施設には、子どもたちも多く滞在しており、学生たちは子どもたちと一緒に遊んだり、交流する時間を多く持ちました。
Group3
派遣期間:2022年8月1日~17日
派遣人数:14名
Group4
派遣期間:2022年8月15日~31日
派遣人数:15名
主な活動内容:
Group1,2とは、活動場所を変え、ウクライナとの国境に近く、避難民が多く利用するプシェミシル駅が主な活動場所となりました。ウクライナから避難する方だけではなく、ウクライナに帰る避難民の方も多く、学生ボランティアは、エスカレーターなどが整備されていない駅で荷物の運搬をお手伝いしたり、駅での案内を行いました。また、現地の活動をコーディネートした協力団体Social Work HUBが運営する新たな避難民一時滞在施設の立ち上げをサポートしました。
Group5
派遣期間:2022年9月3日~19日
派遣人数:14名
Group6
派遣期間:2022年9月17日~10月3日
派遣人数:14名
Group7
派遣期間:2022年10月4日~20日
派遣人数:14名
主な活動内容:
Group3,4と同様にプシェミシル駅での活動に加え、ウクライナとポーランドの国境での炊き出しや、オーストリア・ウィーンの避難民一時滞在施設で、食事の提供や支援物資の管理や配布を行いました。
残念ながら、このプログラムを開始した5月から現在まで、侵攻は続いており、今もウクライナから避難してくる人は絶えません。さらに、現地ではこれから厳しい冬を迎えようとしています。
帰国した101名の学生たちは、自らの経験を周りに伝えたり、日本に避難してきたウクライナ人の支援に参加したり、それぞれが今できることを考え、新たなスタートを切っています。
日本財団ボラセンも、私たちにできる支援を考えながら、これからも活動を続けていきます。
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