4年に1度開催されるアジア最大のスポーツの祭典「アジア競技大会」と「アジアパラ競技大会」が、2026年9~10月に愛知県を中心に全国7都府県で開催されます。この大会に向け、約4万人のボランティアを募集しています。「大会の顔」としての活躍が期待されるボランティアの活動内容や、大会の魅力について、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会の澤田 良樹 さん(人事課 ボランティアグループ 担当課長)にお話しを伺いました。
どんな大会?
愛知・名古屋2026大会では、「第20回アジア競技大会」と「第5回アジアパラ競技大会」という異なる2つの大会が開催されます。
ーアジア競技大会は、どんな大会でしょうか?
澤田さん(以下、澤田):「アジア競技大会」は、アジア全域からアスリートが参加する4年に一度のスポーツの祭典です。日本での開催は1994年広島大会以来、32年ぶりの3回目。2026年9月19日から10月4日までの16日間、45の国と地域から約1万5000人の選手が参加を予定しています。
アジア競技大会の魅力の一つが、多種多様な競技です。愛知・名古屋2026大会では、パリ2024オリンピックの33競技を上回る41競技が実施予定です。カバディやセパタクローといったアジア地域で盛んな競技や、ニュースポーツであるeスポーツ、そしてロサンゼルス2028オリンピックで正式競技として採用される野球・ソフトボールやスカッシュなど、オリンピックでは見られない競技や、新たにオリンピックに加わる競技をひと足先に見ることができるのも、アジア競技大会の魅力の一つです。
-アジアパラ競技大会は、どうでしょうか?
澤田:アジアパラ競技大会は、アジア地域で最大のパラスポーツの大会で、2010年から始まった歴史の新しい大会です。日本での開催は初めてで、10月18日から10月24日までの7日間、アジア競技大会同様に45の国と地域から最大4,000人の選手・役員が参加し、18競技で熱戦を繰り広げます。
普段は交流の少ない国や地域の選手とも接することができ、異文化に触れる機会にもなります。中には、世界大会への参加が難しい国の選手もいて、彼らにとってはこの大会が重要な目標となっています。
ボランティアの役割とは?
ーボランティアは、どのような役割で活動するのでしょうか?
澤田:ボランティアは、「大会ボランティア」と「都市ボランティア」の2つの区分に分かれて活動します。
大会ボランティアは、主に競技会場内やメディアセンターで、競技運営のサポートや観客案内を行い、都市ボランティアは、主要駅や競技会場の最寄り駅周辺で、観光・交通案内、観客の誘導を担当します。
大会ボランティアが3万6千人、都市ボランティアが4千人、合計4万人の募集です。
大会ボランティアの役割は、競技の進行補助などを行う競技運営サポート、関係者などが利用する車両の運転などを行う輸送サポート、外国語でのコミュニケーションをサポートする言語サポートなど12種類に、都市ボランティアは観光・交通案内サポートと誘導案内サポート2種類に分かれています。応募時に希望する役割を3つまで選べるので、ご自身のスキルや興味に合わせて参加できます。
ぜひ、ご自身のスキルや経験を生かして活動していただけると嬉しいです。
-活動場所は、愛知県内だけでしょうか?
澤田:愛知・名古屋2026大会では、愛知県外でも競技が開催されます。東京都で競泳や馬術、静岡県では自転車競技、関西でサッカーなど、全国の都府県の競技会場で大会が行われる予定です。
また、ボランティアは競技会場以外にも練習会場や主要駅などでも活動していただくので、応募時に、愛知県、千葉県、東京都、岐阜県、静岡県、三重県、京都府、大阪府の1都2府5県の中から、希望する活動地域を選んでいただけます。愛知県内だけではなく、ぜひ関東や関西にお住まいの方も多く参加していただきたいです。
ー友人や家族と一緒に参加することはできますか?
澤田:はい。グループ応募として、4人までならば一緒に申し込むことが可能です。グループ応募をすると、学校の友人やご家族などと同じ活動場所、役割で活動していただけます。グループ応募を希望される場合は、まずはグループ全員が個人応募していただき、その後に代表者1名がグループ応募の手続きを行ってください。
初めてボランティア活動に参加する方にも、安心して参加していただけるように、共通研修、役割研修、会場別研修など3~4回の事前研修の機会を用意しています。また、開幕までに一緒に活動する職員やボランティアとの交流イベントも開催し、ボランティアのみなさんが、開幕が待ち遠しくなるような仕掛けも準備していきます。
-応募の条件はありますか?
澤田:2026 年4月1日時点で満18歳以上の方で、日本語によるコミュニケーションが可能で、研修等への参加が可能であれば、どなたでも応募が可能です。
活動期間は、大会ボランティアで10日以上、都市ボランティアで5日以上を目安としていますが、興味のある方は、まずは気軽にご応募ください。
愛知・名古屋2026大会 ボランティアの意義・魅力
-愛知・名古屋2026大会ボランティアの魅力は、どんなところにありますか?
澤田:アジア競技大会、アジアパラ競技大会は、アジア最大規模のスポーツ大会です。アジア各国から選手、観客、海外VIPが多く訪れ、国際大会ならではの特別な雰囲気を味わえます。
また、世代や職業、出身や国籍など様々なバックグラウンドの異なるボランティアと協力しながら、一つの目標に向かって取り組む経験は、学校や職場など日常生活では味わうことのできない「特別な経験」です。そうした経験から、新たな仲間との出会いや交流が生まれるのも、ボランティアの醍醐味です。きっと、かけがえのない思い出になります。
-ボランティアには、どのようなことを期待していますか?
澤田:ボランティアの皆さんは、大会を支える最も重要な存在です。愛知・名古屋2026大会では、多くのスタッフが大会運営に携わりますが、そのうちの4万人がボランティアです。ボランティアは多くの観客や選手と最初に接する存在でもあり、ボランティアの活躍が大会全体の印象を決める「大会の顔」だと思っています。
私は、これまでにラグビーワールドカップ2019日本大会や東京2020オリンピック・パラリンピックで組織委員会のスタッフとして大会に携わり、ボランティアの活躍や、ボランティアが大会の雰囲気を作っていく様子を間近で見てきました。また、出場した多くの選手から「ボランティアの応援やサポートが大きな支えになった」という声を実際に聞いています。
愛知・名古屋2026大会では、アジア競技大会が『IMAGINE ONE ASIA ここで、ひとつに。』、アジアパラ競技大会が『IMAGINE ONE HEART こころを、ひとつに。』をスローガンとしています。ボランティアの皆さんにも、このスローガンのもと、大会の顔として共に大会を盛り上げていただき、参加するすべての人々を一つにする存在になってもらいたいです。
そのためにも、ボランティアの皆さんには大会を楽しみながら活動してもらいたいですね。
愛知・名古屋2026 ボランティア募集要項
開催日程:
<第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)>
2026年9月19日~10月4日
<第5回アジアパラ競技大会(2026/愛知・名古屋)>
2026年10月18日~10月24日
活動時間:
<大会ボランティア>
1日当たり8時間程度/大会期間中及び大会期間前後において10日以上の活動が目安
<都市ボランティア>
1日当たり8時間程度/大会期間中及び大会期間前後において5日以上の活動が目安
※連続での活動は最大5日
募集期間:
現在〜2025年 1月31(金)締め切り
募集人数:
<大会ボランティア>約3万6千人
<都市ボランティア>約4千人
募集条件:
・2026年4月1日時点で、満18歳以上の方
※応募時に満18歳に達していない場合は、応募に当たり保護者の方の承諾が必要
・日本語によるコミュニケーション(日常会話・読み書き)が可能であること
・採用イベントや研修等への参加が可能であること
・国籍は不問。ただし「国内法令を遵守しており、外国籍の方の場合は在留資格を有すること
応募単位:
個人又はグループ(4人まで)による応募が可能
応募方法:
以下、ボランティア募集特設サイトから
https://www.volunteer-aichi-nagoya2026.com/
日本財団ボランティアセンターは愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会と連携・協力に関する協定を締結
日本財団ボラセンでは、本大会のボランティア運営への連携・協力に関する協定を愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会と締結しました。
9月16日に名古屋市内で行われた締結式では、組織委の大村秀章会長(愛知県知事)と、ボラセンの山脇康会長が調印しました。
大村会長は「アジア競技大会、アジアパラ競技大会のような大きな大会では、大会運営の現場を支え、大会の顔といわれるボランティアの皆さんの活躍がどうしても必要。日本財団ボランティアセンターとの連携、協力関係をさらに深めて成功に向けて準備を深めていきたい」とあいさつしました。
また、山脇会長は「ボランティアは第一に、選手と観客と関係者に直接接する『インターフェース』のような役割を担っており、大会を成功させる鍵といえます。ボランティアとして必要な知識や心構え、役割の重要性、そして、なによりもボランティアとして関わる楽しさを、研修を通じて皆さんにお伝えし、大会を成功に導くための取り組みを進めていきたい」と述べました。
今後、日本財団ボラセンでは、大会に関わるボランティアの募集広報や研修、運営の面で協力していきます。