ボランティアの基礎知識

ボランティア保険とは?対象の活動や加入方法をわかりやすく解説

2023年5月18日
その他
ボランティア保険とは?対象の活動や加入方法をわかりやすく解説

更新日:2024/8/8

ボランティア保険とは

ボランティアがガムテープにマジックで記入する様子

ボランティア活動中は、思ってもみないケガやトラブルが発生する場合があります

ゴミ拾いボランティア活動中に転ぶ、災害ボランティア活動で人にケガをさせてしまう、ボランティア現場に向かう途中で交通事故に巻き込まれる…など。

ボランティア保険とは、そんなボランティア活動中のリスクに備えるための保険です。

この記事では、そもそもボランティア保険に入るべきなのか?対象となる活動は?などボランティア保険の基本的な疑問をわかりやすく解説します。

ボランティア保険とはボランティア活動中のリスクに備えるための保険

ボランティア活動中は様々なリスクが潜んでいます。

自分がケガをするだけでなく、思わぬ事故で他人にケガをさせたり物を壊してしまった場合には賠償責任が発生するかもしれません。そんなボランティア活動中もしくは活動地域までの往復途中でのケガや事故をカバーしてくれるのがボランティア保険です。

ボランティア個人またはボランティア団体が自己負担で加入します。

ボランティア保険は大きく分けて「本人の傷害(怪我による死亡や入通院など)」と「第三者への賠償責任(対人賠償・対物賠償)」の、2つの補償を軸に作られています。

様々な場面でカバーしてくれるボランティア保険ですが、どんな活動も保険対象になるわけではありません。例えば、社会福祉協議会(社協)が窓口となっている「ボランティア活動保険」の場合では、学校管理下にある先生・生徒のボランティア活動や有償のボランティア活動は保険の対象外となります。

まずは、自分の行うボランティアの種類や所属を確認するようにしましょう。

なお、ぼ活!で募集するボランティア活動は、主催者または日本財団ボランティアセンターがボランティア保険に加入するため、個人でボランティア保険に加入する必要がなく、安心して活動に参加できます。

ボランティア保険にそもそも加入すべき?

トラックの荷台に、瓦礫を集めるボランティアの様子

そもそも、ボランティア保険に加入すべきなのか、加入しない選択はありなのでしょうか?

一見リスクが少なく思える活動の場合、そのように感じてしまうかもしれません。

結論からいうと、リスクの伴う活動と、金銭面に余裕がある場合は加入するようにしましょう。

ボランティア活動の内容によって、想定されるリスクは異なります。危険性の高い現場であれば、必ず加入するようにしてください。

特に、被災地支援などの災害ボランティアでは、受け入れ側でボランティア保険加入を前提にしていることがあります。被災地では、瓦礫の撤去作業や家屋の片付け中にケガを負うケースが多々あります。それだけでなく、被災された方の住宅での作業中に、誤って家主の大切なものを壊してしまった場合に、損害賠償責任が発生するかもしれません。

ボランティア個人だけでなく、周りの人も安心して作業することができるよう、災害ボランティアやリスクのある活動に参加するときには、ボランティア保険には必ず入るようにしましょう。

災害ボランティアのようにリスクが大きくない現場でも、ボランティア保険に入っておくと安心です。ボランティア活動場所までの往復時の事故や、他人に対しての損害もサポートしてくれます。

災害ボランティアについて詳しくはこちら
>初めての方向け。災害ボランティア活動への参加方法や心得【基礎知識】

ボランティア保険の種類や対象

手帳にメモを書き込むボランティアの様子

①「ボランティア活動保険」とは

ボランティア個人またはボランティアグループで加入できる

社会福祉協議会(社協)が窓口となっている保険で、ボランティア活動中の事故によりボランティア本人がケガをした場合と、ボランティアの方々が、ボランティア活動により他人に対して損害を与え、損害賠償問題が生じた場合を補償する保険です。

ボランティア個人またはボランティアグループなどが加入申込人(加入対象者)となり、ボランティア個人を被保険者(保険の補償を受けられる方)として、全国社会福祉協議会が一括して損害保険会社と契約します。

保険期間は、4月1日から翌年3月31日までの1年間。(年度途中で加入された方は、加入手続き完了日の翌日0時から当該年度の3月31日までとなります。)

一度ボランティア保険に加入すると、保険期間内であれば他のグループにおける活動(条件を満たすもの)についても補償されます。

補償対象となるボランティア活動

ボランティア保険はどんなボランティア活動でも対象となるわけではありません。個人の自発的な意思により、他人や社会に貢献することを目的とする、無償かつ日本国内でのボランティア活動が対象の前提になります。

そのうえで所属するボランティア活動団体等の会則に則り、企画立案された活動である、社会福祉協議会に届け出た、または委嘱を受けた活動のいずれかに該当する必要があります。

なお、社会福祉協議会(災害ボランティアセンター)での災害ボランティア活動ではボランティア活動保険への加入が必須とされています。

補償対象にならないボランティア活動

自発的な意思による活動とは考え難いものだったり、有償・営利目的の活動はボランティア保険の対象外となります。

たとえば以下のような活動は対象外です。

・学校の管理下(授業の一環)として行うボランティア活動

・インターンシップを目的としたボランティア活動

・PTA・自治会・町内会・老人クラブなどボランティア活動以外の目的でつくられた団体

・グループが行う組織運営や団体構成員の親睦のための活動

そのほか、野焼き・山焼きや、チェーンソーを使用する森林ボランティア活動、銃器を使用する害獣駆除ボランティア活動など危険度の高い活動も対象外です。

自分が行うボランティアの種類、団体を確認するようにしましょう。

②「ボランティア行事用保険」とは

社会福祉協議会で加入できる保険として、「ボランティア活動保険」のほかに「ボランティア行事用保険」というものがあります。

こちらは、ボランティア活動やお祭り・イベントなどの「主催者」が、参加者のために加入する保険です。参加者が偶発的な事故でケガをした場合の「傷害補償」、行事主催者が参加者にケガをさせたり持ち物に損害を与え、行事主催者が法律上の賠償責任を負った場合の「賠償責任補償」の2つが補償されます。

イベントを主催する側は、参加者の事故やケガなどのリスクが発生します。

ゴミ拾い中に子どもがケガをする、テントが風で煽られて参加者にあたって大ケガ…など。安全に進行することが一番ですが、予期せぬトラブルに備えることが大切です。

①ボランティア活動保険、②ボランティア行事用保険の詳細については、以下をご確認ください

ふくしの保険

③そのほか、民間損保などで加入できるボランティア保険


社会福祉協議会や災害ボランティアセンターでは対応が難しい、専門的知識や技術を必要とするNPOや災害支援団体などでの活動では、上記のボランティア保険の対象とならないケースも。そんなときには、民間で加入できる損害保険がボランティア活動に対応できる場合があります。

自分の参加するボランティア活動が対応するかどうかを必ず確認してから加入するようにしてください。

一般社団法人FUKKO DESIGNのボランティア保険「しえんのおまもり」では、ボランティア活動保険では対象外となるような、チェーンソーや高所作業も補償対象となり、スマホから加入できるなどのメリットがあります。

詳細については以下をご確認ください

しえんのおまもり

ボランティア保険の補償金額と保険料

気になるのが、ボランティア保険の保険金額(支払われる補償額のこと)について。

加入するプランによって内容や金額はさまざまです。

基本プランや、天災タイプ(地震、噴火、津波)、ボランティア活動保険では新型コロナウイルスなどに対応した「特定感染症重点プラン」がスタートしました。

プランについては、ボランティア個人にあった内容で選ぶようにしましょう。

掛金(保険料)ですが、社会福祉協議会で加入できるものと民間損保で加入するもの、プランによっても差がありますが、団体加入の場合は目安として年間数百円から1,000円以内で設定されているケースが多いようです。

ボランティア保険の加入方法

ゴミ拾いボランティアを行う幼い兄弟

ボランティア活動保険・ボランティア行事用保険の場合

ボランティア活動保険・ボランティア行事用保険などのボランティア保険の加入は、社会福祉協議会で行います。基本的にインターネットでは加入できないので注意が必要です。

ボランティア登録および活動内容を届け出る必要があります。社会福祉協議会に置いてある加入申込書・パンフレットなどを確認し、必要事項を記入・捺印。最寄りの社会福祉協議会の窓口に提出します。

保険料(掛金)については、振込みなど所定の方法で支払います。

詳しくは、最寄りの社会福祉協議会に問い合わせてみてください。全国の各地域に窓口があるので、「お住まいの地域名+社会福祉協議会」で検索してみてください。

民間損保などで加入できるボランティア保険の場合

社会福祉協議会で加入するボランティア保険と違い、ネットで加入できることがほとんどです。窓口に行く必要がなく、手軽に加入できることが民間損保のボランティア保険のメリットです。

一般社団法人FUKKO DESIGNのボランティア保険「しえんのおまもり」では、保険料をクレジットカードで支払うことができます。

ボランティア活動募集を探す

ボランティア保険の種類や加入方法について解説しました。

ボランティア活動に参加する場合も、イベントを主催する場合も、安心して活動に望めるよう、できるだけボランティア保険に加入するようにしたいですね。

「ぼ活!」では、ボランティア活動に参加してみたいと思った方に向け、ボランティア案件を紹介しています。ぼ活!で募集するボランティア活動は、主催者や日本財団ボランティアセンターが保険に加入するため、参加者の費用負担はなく、安心して活動に参加していただけます。

ボランティア案件を探す

ボランティア募集だけでなく、ボランティアに役立つセミナーやイベントのお知らせやボランティアの体験レポート記事なども掲載されています。

ボランティア初心者から上級者まで、気になる情報がもりだくさんですので、ぜひチェックしてみてください。

セミナー/イベントを探す

ボランティアの体験レポート記事

無料会員登録でボランティア関連情報をいち早くキャッチ

無料会員登録でボランティア関連情報をいち早くキャッチ

「ぼ活!」の無料会員に登録しませんか?会員には定期的にメールマガジンが届き、いち早くボランティア活動やセミナーなどの情報をキャッチできます。実際に活動やイベントに参加するにも会員登録が必要なので、事前に登録をしておけばスムーズに申し込めることもメリットです。

>>会員登録はこちらから

>>ぼ活!についてもっと知りたい方はこちら

参考資料

・社会福祉法人全国社会福祉協議会,“ボランティア活動保険”

https://www.fukushihoken.co.jp/fukushi/front/council/volunteer_activities.html(参照2023‐3‐20)

・社会福祉法人全国社会福祉協議会,“ボランティア行事用保険

https://www.fukushihoken.co.jp/fukushi/front/council/volunteer_events.html(参照2023‐3‐20)

・社会福祉法人全国社会福祉協議会,“ボランティア活動保険に関するQ&A”

https://www.fukushihoken.co.jp/fukushi/front/info/info_ques.html(参照2023‐3‐20)

・一般社団法人FUKKO DESIGN,“しえんのおまもり”

https://s-omamori.jp/(参照2023‐3‐20)

・Mylife Money online,“ボランティア保険の比較と選び方/金額・加入方法や1日加入の保険まで”

http://mylifemoney.jp/sonae/6112(参照2023‐3‐20)

・ほけんROOM ミニ保険,“ボランティア活動には欠かせないボランティア保険とはどんな保険?”

https://hoken-room.jp/knowledge/4723#i-4(参照2023‐3‐20)