日本財団ボランティアセンターでは、ウクライナの方々とのコミュニケーションに活用するため、文章を指でさし示してやり取りをすることで意思疎通を図る「指さし会話シート」のウクライナ語版「指さし会話シート ぼ活!×ゆびさし ウクライナ避難民支援ver.」を、株式会社ゆびさしの協力のもと制作しました。
このシートは、日本財団ボラセンが実施しているウクライナ隣国への避難民支援「The Volunteer Program for Ukraine」に参加した学生ボランティアが制作に協力し、現地での活動経験を踏まえ、避難民などウクライナの方々とのコミュニケーションに役立つ語句をまとめました。
このシートを、より多くの場面で活用していただくために、本ページから無料ダウンロードが可能です。
無料ダウンロードはこちら(PDF 1.58MB)
※ダウンロードファイルの転用、複製、販売、貸与などの二次利用等はご遠慮ください。
ウクライナ隣国で支援活動に参加した学生ボランティアが検討した190語句を記載
「指さし会話シート ぼ活!×ゆびさし ウクライナ避難民支援ver.」は、「あいさつ」「食べ物・日用品」「場所・地図」「数字」などのジャンルから190語句を、日本語・英語・ウクライナ語の3言語とイラストで表現しています。ウクライナからの避難民とのコミュニケーションはもちろんのこと、世界中から集まるボランティアとのコミュニケーションにも活用することを考えて作られました。ウクライナ語表記の下にはウクライナ語の読み方がカタカナで配置されています。
制作にあたっては、日本財団ボラセンがウクライナ避難民支援のため、日本人学生ボランティアをウクライナ隣国に派遣するプログラム「The Volunteer Program for Ukraine」に参加した学生ボランティア5名が参加しました。
学生ボランティアたちは、5月〜6月の間に約2週間、ポーランドの避難民一時滞在施設で活動した経験をもとに、シートに掲載する語句を考えました。活動では、避難民の子どもたちと接する機会が多かったことから、「かっこいい」「かわいい」「上手」など、子どもたちとのコミュニケーションで多く使われた語句も、学生たちの発案により掲載されました。
ポーランド、オーストリアでの支援活動で活用
9月以降に派遣されたThe Volunteer Program for Ukraine Group5〜7の学生ボランティアは、指さし会話シートを使用しながらポーランドとオーストリアで活動をしています。
活動の中で、避難民の方とゆっくり会話をする時間は少ないですが、駅での案内では、「荷物を運びましょうか?」「スーツケース」「リュックサック」など、シートに掲載されていたことで覚えた単語を使い積極的に声かけをしていました。
また、避難民一時滞在施設の活動では、シートに掲載されているウクライナ地図や日本地図を使用して、避難民やウクライナ出身のボランティアの方と出身地について話をする学生もいました。
無料ダウンロードについて
「指さし会話シート ぼ活!×ゆびさし ウクライナ避難民支援ver.」は、「The Volunteer Program for Ukraine」に参加した学生だけではなく、より多くの支援活動で活用をしていただくために、無料ダウンロードが可能です。
日本に避難しているウクライナ避難民の方など、支援活動や避難民の方とのコミュニケーションに、ぜひご活用ください。
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ぼ活!指さし会話シートウクライナ語版 概要
言語:日本語、英語、ウクライナ語(3言語)
単語数:190語句
内容:あいさつ、食べ物・日用品、体調・薬、場所・地図、数字・人 など
サイズ:A3サイズZ折り
発行:公益財団法人日本財団ボランティアセンター
企画編集:株式会社ゆびさし
※「指さし」および「YUBISASHI」は株式会社ゆびさしの登録商標です。
※「YUBISASHI」は株式会社ゆびさしの国際登録商標です。
学生ボランティア 制作協力メンバーのコメント(五十音順)
上田 琳(うえだ りん)さん
(兵庫県立大学 看護学部 2年、兵庫県出身、Group1参加)
今回、指さし会話シートの制作に参加した理由は、ボランティア活動中にウクライナ語を少しでも話せたらと感じる機会が数え切れないほどあったからです。一生懸命に話をしてくれる子どもたちの言葉、必要な生活用品を受け取りにくる避難民の方々の言葉。言語が通じないため、伝えることを諦めてしまう人も少なくありませんでした。
そのため、簡単なあいさつから日用品、薬の名前など、私たちが避難民一時滞在施設にて、子どもと遊ぶとき、日用品の受け渡しをするときに使用した言葉を重点的に集め、シートを制作しました。このシートが、今後派遣される学生ボランティアの活動を行うに当たって手助けになれば嬉しいです。そして、少しでも彼らの心の痛みに寄り添えることを願います。
太田 澪(おおた みお)さん
(京都産業大学 外国語学部ロシア語専攻 2年、愛知県出身、Group1参加)
ウクライナ避難民の方々が母語でのサポートを受けられるとより安心感を得られていた体験を踏まえ、起きる場面を想定し制作に協力しました。
収録単語をリストアップするにあたって、英語ではカバーしきれない、英語と発音が大きく異なる単語や、自身が活動で多く使用したもの、知っていたら役立つと思った単語を挙げました。また、幼児とその母親を対象とした場所での活動や子どもたちとの交流経験から、避難民の年齢に応じた単語選択を意識し、その方々に寄り添った単語をリストアップするようにしました。このシートを活用することで、今後派遣される学生ボランティアが少しでも言語の壁を感じずにスムーズに支援活動ができるようになったら幸いです。
後藤 一磨(ごとう かずま)さん
(東北学院大学 文学部英文学科 3年、宮城県出身、Group1参加)
現地で活動をするにあたって、「遊ぼう」と言った言葉ですら、伝えることができなかった場面がたくさんありました。その時に伝えたかった言葉はどのようなものだったか、思い出しながら、誠心誠意制作に携わることができたと思います。
自分が活動するときに、このシートがあればよかったのにな!と思うくらいのクオリティになっていると思います。このプロジェクトに参加することができて、とても光栄です。
指さし会話シートを使うことで、皆さんのコミュニケーションの助けになることができたら幸いです。
齋藤 凜花(さいとう りんか)さん
(早稲田大学 社会科学部 2年、愛知県出身、Group1参加)
今回の制作にあたり、特に一時避難所で活動していた際に自身がよく使った、日常的な挨拶の単語や、犬や水といった名詞、地名などを導入していただき、対話への大きな一歩を踏み出す手助けになれるよう工夫しました。
一方で避難民の方々は、”ウクライナ避難民”というレッテルを貼られてしまうことを気にしていました。異文化異言語を理解することを前提条件におきつつも、社会で共に生きていく仲間として彼らのことを捉えていくことが大事なのだと感じています。 今後も私自身、自らにできることについて、考え、行動し続けます。 この度は制作に携わることができて光栄でした。貴重な機会をありがとうございます。
藤田 晃矢(ふじた こうや)さん
(同志社大学 法学部政治学科 3年、栃木県出身、Group2参加)
現地での活動に際し、英語と日本語しか話せない私自身が、何とか避難民達とコミュニケーションを取ろうと使用していた単語や、帰国後に現地での活動を振り返りながら、どういった語彙があれば活動をより良いものにできるかということを考え、この指さし会話シートの制作に携わらせて頂きました。私が活動の際に感じた言語の壁を、この指さし会話帳を使用することで、少しでも乗り越え、これを使用する皆さんのお役に立てれば幸いです。