農業ボランティアとは

自然と触れ合いながら、地域社会に貢献できる農業ボランティア活動は、忙しい日常から一歩外に出て、心豊かな時間を過ごす絶好のチャンスです。
このページでは「農業を体験してみたい」「子どもに農業をさせてみたい」など、農業に関心がある人向けにボランティアを通して体験するための情報をまとめています。
「どんな活動をするの?」「どれくらいの期間やるもの?」「服装はどうすればいい?」など、農業ボランティアが初めての人はもちろん、すでに経験をしている人にも役立つ情報を分かりやすくまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
農業ボランティアの活動内容
まず、農業ボランティアはどのような活動をするのでしょうか。
農業ボランティアの活動内容は、農家のニーズに合わせて変わるため、様々なものがあります。例えば、
・種まき
・苗植え
・生育に向けた作業
・収穫
・出荷作業
・直売所での販売、販路開拓
などがあります。農業と言った時にイメージする作付けから収穫にとどまらず、消費者に届ける販売までをボランティアで担うこともあります。
農業ボランティアの期間
農業ボランティアにはどれくらいの期間参加するものなのでしょうか。
もちろん期間は参加するボランティアによって変わりますが、大きく分けると、継続的に行うか、単発で行うかに分けることができます。
単発で行う農業ボランティア
単発のボランティアは、田植えや収穫といったイベントに合わせて開かれるようなものなどがあります。
このボランティアは1日~数日以内と気軽に参加ができるのでハードルが低く、初めての方にもおすすめです。
継続的に行う農業ボランティア
もう一つは継続的に行う農業ボランティアがあります。どれくらいの期間続けるかに応じてさらに2つに分けることができます。
・週末のみなど週数回のペースで参加するタイプ
中長期の期間にわたり、週末のみなどのペースで参加。本業を続けながらの参加も可能です。単発のものよりも長い期間携わるので、農業のことをより深く知る機会となるでしょう。
・住み込みでじっくり参加するタイプ
住み込みタイプは数ヶ月単位で、農業ボランティアを行います。体験といったレベルを超えて、受け入れ先の農家の方々と一緒に本格的な農作業をすることができます。住み込みとなるため、参加にはまとまった時間が必要になります。
農業ボランティアの開催エリア
農業ボランティアが行われている場所は全国各地にあります。都会から遠く離れた田舎に限らず、東京都内や大阪府内でも募集を見つけることができます。
ご自身が参加可能なエリアで開催がないか、探してみてください。
農業ボランティアをするメリットとは

農業ボランティアに参加するとどのようなメリットがあるのでしょうか。個人で参加した場合と、法人などの団体で参加した場合とに分けてご紹介します。
個人で参加した場合
個人で参加した場合、次のようなメリットがあります。
・新しい体験、出会いがある
農業は、普段の生活ではなかなか体験できない貴重な経験です。特に都会に住んでいると、自然との接点が限られているため、農業ボランティアに参加することで、普段触れることのない新しい世界を知ることができます。この体験を通じて、自分自身の成長を実感することもできるでしょう。また、ボランティア活動全般に共通する魅力として、さまざまな人との出会いがあり、それを通じて新たなコミュニティが広がることも大きな魅力の一つです。
・リフレッシュになる
普段の忙しい生活やストレスの多い環境から一時的に離れ、自然の中で過ごすことで、心身ともにリフレッシュに繋がります。
・収穫の楽しさを知ることができる
収穫の瞬間は、農業の中でも特別な喜びを感じる時であり、自然の恵みを実感できます。そうした面から、農業ボランティアは、収穫の楽しさを直接感じることができる素晴らしい機会になります。
・社会貢献になる
ボランティア全般に言えることとして、社会貢献が挙げられます。
農業ボランティアが募集される背景には、従事者の高齢化や後継者不足による労働力の不足があり、そうした社会課題の解決に貢献することができます。
・就農を考える人の学びになる
実務経験や現場の理解を深められるといった点から、就農を考えている人にとっては、将来の仕事に活かせる経験ができるメリットがあります。
・子どもに体験させることで食育にもつながる
ボランティアで農業を体験することで、子どもはもちろん一緒に参加する大人も食に対する理解や意識が深まり、食育の観点からも多くの学びを得ることができます。
法人など団体で参加した場合
農業ボランティアの中には、法人など団体での募集を行っているものもあります。
以下に団体で参加するメリットをご紹介します。
・社会貢献になる
企業でボランティアに参加することは、社会的責任(CSR)活動につながるメリットがあります。
農業や地域貢献を通じて、地域社会や環境にポジティブな影響を与えることができます。特に、持続可能な農業や地元経済の支援に参加することは、企業の社会的責任を果たしていることをアピールする機会につながります。
・チームビルディングの促進になる
チームワークが求められる農業ボランティアは、従業員同士の絆を深めることにつながります。協力して農作業を進めることで、チームワークやコミュニケーションスキルの向上が期待できるでしょう。
・社員のリフレッシュにつながる
農業は自然と触れ合う機会になり、癒しの効果があるとされています。また、農作業は適度な運動を伴い、外での活動はストレス解消にも役立ちます。
農業ボランティアに参加するときの服装・持ち物は?

農業ボランティアの服装
言うまでもないですが、農業ボランティアは、土や泥、草が近くにある環境での活動になります。動きやすく、汚れてもいい服にしましょう。虫刺されにあう可能性があるのでスカートなどは避け、長袖長ズボンを着用しましょう。
他にも軍手や長靴、帽子、状況に応じて上下に分かれたレインコートなども必要になりますので、各自で用意しましょう。
農業ボランティアの持ち物
保険証や常備薬、虫よけスプレー、汗を拭くためのタオル、汚れたものを入れる袋や文房具、ウェットティッシュなども持参するようにしましょう。
また、活動中は自分の貴重品や小物を入れられるようなバッグがあると便利です。
暑い時期の農業ボランティアにおすすめのアイテム
暑い時期の農作業では熱中症のリスクが高まりますので、準備をしっかりと行いましょう。水分補給のための飲料水はもちろん、塩分を摂取できるタブレットなども熱中症対策におすすめです。
また、汗をたくさんかきやすい環境のため、吸湿速乾性の高い素材の衣服や小型ファンがついた空調服を着用したりするのもおすすめです。
農業ボランティアの参加方法

では、農業ボランティアに参加する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。大きく3つの方法があるのでご紹介します。
農家の募集に直接応募するケース
農家自体が直接ボランティアを募集しているケースがあります。農家のホームページやボランティアの募集サイトに募集内容が掲載されていることがあるので、身近に募集している農家がいないか調べてみましょう。
農協の募集に応募するケース
農業協同組合(農協)でもボランティアの募集を行っています。例えば、JAふじ伊豆(正式名称:富士伊豆農業協同組合)の場合では、農家とボランティアの両方の応募を受け付けて集約。ニーズがマッチする農家とボランティアをつなぐ仲介をしています。
行政の募集に応募するケース
行政が農家とボランティアを結びつけるというケースもあります。
埼玉県白岡市では、募集をしたい農家と応募したいボランティアの登録を受け付けています。
ボランティアが希望する作業時期や作物などの条件と、農家側の受け入れ可能時期や作物などの条件を照らし合わせ、条件が近い農家とボランティアに市が連絡。実施の検討をし、話し合いなどを通して参加が決まります。
ぼ活!から応募する
ぼ活!のサイトからも農業ボランティアに応募することができます。まずは会員登録をして、参加したいボランティアを検索してみてください。
農業ボランティアの体験談

日本財団ボランティアセンターでは、これまでに福島県いわき市のオリーブ畑や農園で農作業をするボランティア活動を行いました。2泊3日で実施されたこのボランティアは、農作業だけでなく、東日本大震災で被災した被災者との交流や、被災地の視察も含まれたプログラムで、参加者にとって貴重な体験となりました。
上記の農業ボランティアに参加された方の感想
福島のオリーブ畑でのボランティア
・参加者①
オリーブの実をかじったらなんとも言えない苦味があり、枝についた実がいっぱい取れた時は楽しかったです。チームワークができ、選別する班、枝から実を取る班に分かれることで能率が上がり、目標以上に収穫ができました。
・参加者②
オリーブ農園では、不安定な天候での屋外作業、蒸し風呂のようなビニールハウスのなかでの作業など、若干大変ではありましたが、私の今の日常生活では体験できないことができ本当に楽しかったです。
参加者のみんなと一緒にたくさん汗を流して取り組み、農園がきれいになったことで、頑張って良かったなと感じました。
オリーブ畑で行われた過去の農業ボランティアの募集要項はこちら
福島のフルーツ農園でのボランティア
・参加者①
農業は体力の消耗が大きく、大変です。食べ物を大事にするという思いが強くなりました。
・参加者②
農業ボランティアは初めての経験で、その中でも珍しいフェイジョアの受粉作業をお手伝いさせていただき、貴重な経験になりました。
暑い中での作業は大変でしたが、その分休憩中に飲む冷たいスポーツドリンクがとても美味しく感じたり、風の気持ち良さを感じたり、自然の豊かさを強く感じることができました。
フェイジョアを収穫する過去の農業ボランティアの募集要項はこちら
フェイジョアを栽培する過去の農業ボランティアの募集要項はこちら
まとめ
農業ボランティアについての理解は深まりましたでしょうか。
農業ボランティアは人手不足などで悩む農家へ貢献しながら、参加者自身も多くのことを学び、得られる貴重な体験を提供してくれます。
期間や場所など、自分に合ったボランティアはきっとあるはずなので、興味のある方はぜひ参加してみてください。
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参考資料
・公益財団法人日本財団ボランティアセンター”希望のオリーブ畑 復興プロジェクトin ふくしま” https://vokatsu.jp/volunteer/1684114042837×647136582769311700 (参照2025‐03‐04)
・立川市”援農ボランティアをやってみませんか?”https://www.city.tachikawa.lg.jp/sangyo/nogyo/1004075/1004161.html (参照2025‐03‐04)
・公益社団法人ひょうご農林機構”農村ボランティアの広場”https://hyogo-rakunou.com/nousonbora/2.html#:~:text=%E9%87%8E%E8%8F%9C%E3%82%84%E7%B1%B3%E3%81%AE%E6%92%AD%E7%A8%AE,%E3%82%82%E8%A1%8C%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 (参照2025‐03‐04)
・えづらファーム”大自然の中、一緒に働きませんか?”https://www.ezurafarm.com/work (参照2025‐03‐04)
・JAふじ伊豆”援農ボランティア【なんすん地区】”https://www.ja-fujiizu.or.jp/agriculture/ennou_volunteer.html (参照2025‐03‐04)
・白岡市”農業ボランティア・ボランティア受入農家募集”https://www.city.shiraoka.lg.jp/soshiki/seikatsukeizaibu/noseika/3/676.html (参照2025‐03‐04)