ボランティアの基礎知識

英語を使うボランティアとは。英語力アップにつながる初心者向けセミナーも紹介

2025年3月17日
グローバル
英語を使うボランティアとは。英語力アップにつながる初心者向けセミナーも紹介

英語を使ったボランティア

最近ではインバウンド旅行客増加に伴い、英語で道を尋ねられた経験がある人も多いのではないでしょうか。

今や英語の語学力は海外だけでなく、国内でも必要性が高まっています。その流れはボランティア活動の場も例外ではありません。
英語を学びながら社会貢献がしたい方や、ボランティアを通じて英語力を磨きたい方もいるかもしれませんが、「英会話初心者で大丈夫だろうか?」「どれくらいの英語力がいるの?」と疑問に思う方も少なくありません。

このページでは、英語を活かしたボランティア活動の具体例や求められる英語力について解説します。さらに、初心者でも安心して英語ボランティアに踏み出せるセミナーのご紹介もしています。

日本国内で英語を使うボランティアの例

日本国内で募集されているボランティアでも、外国人に対応しなければいけないというシチュエーションなどから英語が必要になるボランティアがあります。
以下に、具体的なボランティア活動の例をいくつか紹介します。

・観光案内ボランティア
・マラソンなどスポーツ大会に関するボランティア
・万博など国際的なイベントに関するボランティア
・学習支援ボランティア
・翻訳・通訳ボランティア

ここで紹介しているもの以外にも、英語を活かして活動するボランティアは様々あります。また、募集要項に英語が必要と書いていなかったとしても、ふいに英会話が必要になることもあるかもしれません。

海外で英語を使うボランティアの例

海外でボランティア活動を行う場合、日本に比べて英語や現地の言語を使いコミュニケーションする機会が増えます。活動を通し、語学力を伸ばしながら社会貢献を行うことができます。
以下に、具体的なボランティア活動の例をいくつか紹介します。

・JICA 海外協力隊
・スタディツアー
・海外の子どもへの教育支援

スタディツアーとは、現地で直面している課題や、行われている支援活動を知り、異文化交流やボランティア活動を体験できるプログラムです。海外ボランティアに興味のある方の一歩目におすすめです。

スタディツアーなど海外ボランティアについてはこちら

オンラインで英語を使うボランティアの例

直接外国人と対面することはないものの、オンラインで英語を使って参加できるボランティアもあります。
以下に、具体的なボランティア活動の例をいくつか紹介します。

・オンラインの異文化交流
・外国人に日本語を教えるボランティア
・海外プロジェクトにオンラインで参加するボランティア

ボランティア活動にはどれくらいの英語力が必要?

ウクライナからの避難民支援ボランティアの参加者

英語に自信がある方なら、あまり心配することではないかもしれませんが、英語に自信がない方や海外ボランティアの初心者にとっては、「参加しても役に立てないかもしれない」「いざ参加してみたら英語力が足りなかった」といった不安があるかもしれません。
では、ボランティア活動に必要な英語のレベルとは、どの程度なのでしょうか。

国内ボランティアに必要な英語レベルとは

結論ですが、ボランティア活動に必要な英語力を、一概に示すことは難しいです。
ボランティアの種類や活動内容によって求められる英語力は異なります。
そこで、ボランティアの具体例を参考に、必要な英語力のレベルを見ていきましょう。

東京都の観光案内ボランティアの例

東京都では、東京を訪れる国内外からの旅行者に東京の魅力を紹介する「東京都観光ボランティア」を募集をしていました。
外国人旅行者のガイドを行ったり、都庁の案内などが主な活動内容です。

令和7年度からの「東京都観光ボランティア募集要項」は、英語に関して「実用英語技能検定(英検)準1級以上」や「TOEIC730点以上」、「海外滞在経験合計1年以上」などの基準があります。

これらいずれかを満たすことが必要と書かれています。

なお資格審査は、書類審査のみとなっており、面接などは行われません。

大阪国際交流センターの募集する「災害時の外国人支援」「通訳」の例

公益財団法人大阪国際交流センターは、災害時に外国人被災者への多言語情報の提供をサポートする「災害時外国人ボランティア」を募集しています。

災害発生時、大阪市の災害多言語支援センターと避難所での通訳、翻訳作業のほか、大阪府外の近畿エリアへの派遣活動などがあります。

応募要件には
「日本語と外国語でのコミュニケーションが可能な方」
「またはやさしい日本語を使って支援に携わることができる方」と記載があります。厳密な基準がない分、東京都の観光ボランティアよりもハードルが低く感じた方がいるかもしれませんが、「語学能力等の理由によりご登録いただけない場合があります」と書かれているので注意が必要です。

また、大阪国際交流センターは「アイハウス・ボランティアバンク」というボランティアの登録制度を設けています。
登録することで参加できるボランティアの中に、「通訳」活動があります。

「通訳」の資格・備考欄には

・活動を円滑に行える語学力であること(英語の場合はTOEIC730点、英検準1級以上を目安とする)
・面談時に語学スキルチェックを受け、一定レベルの能力が認められる人

と記載があります。通訳はコミュニケーションの間に入る大切な役割があるので、やはり一定程度の英語力が求められるようです。

外国人の観光案内

東京都が募集している観光ボランティア以外にも、英語力にとらわれず「熱意」に重きを置いている募集もあります。「求められている基準は満たしていないけれど、英語で外国人と話すきっかけがほしい」といった方は諦めずに探してみるといいでしょう。

海外ボランティアに必要な英語スキル

JICA 海外協力隊の例

JICAのボランティア事業は日本政府のODA予算により、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業で、発展途上国での技術支援や教育活動などを行っています。

JICAの派遣先は多く、必ずしも英語のみが語学力として求められているわけではありません。活動によって選定指定言語は異なりますので注意が必要です。

語学力の目安表で、英語はA~Dの4段階に分かれています。それぞれのレベルに応じて求められる資格試験の基準の一部をご紹介します。

A:英検準1級以上、TOEFL®550点(CBT 213点、iBT 79点)以上、TOEIC®730点(S&W 290点)以上など
B:TOEFL®500点(CBT 173点、iBT 61点)以上、TOEIC®640点(S&W 260点)以上など
C:英検2級、TOEFL®470点(CBT 150点、iBT 52点)以上など
D:英検準2級、3級、TOEFL®410点(CBT103点、iBT34点以上)以上 など
となっています。

教育ボランティア、ウクライナ避難民支援の例

日本財団ボランティアセンターでは、東ティモールの首都ディリで子どもたちの教育に関わるボランティア活動を行いました。
このボランティアの参加にあたり「実用英語技能検定(英検)準1級以上」「TOEIC 700点以上」などの基準を設けていました。

また、ウクライナからの避難民に向けた支援のボランティアも行いました。
活動場所は、避難民の多いポーランド、オーストリアなどの国々で、食糧や物資の配布、子どもたちと一緒に過ごし、不安を和らげる活動を行いました。

このボランティアでも、申込時に受けるオンラインの英語テスト(リーディング、リスニング)のスコアなどをもとに参加者を決定しています。

過去に募集した英語を使う東ティモールのボランティアの募集要項はこちら

過去に募集した英語を使うウクライナ避難民支援の募集要項はこちら

英語を活かしたボランティアの参加方法

海外の子どもと交流をするボランティア参加者

英語を使ったボランティアに参加する場合、案件募集サイトや団体が募集しているWEBサイトなどで参加ができます。
自分自身の興味のあるボランティア活動で英語が使えるものがないか探してみましょう。

日本財団ボランティアセンターでも英語を使うボランティアを随時募集しています。

英語を活かしたボランティアを探したい方はこちらから

英語を活かしたボランティアに参加するメリット

英語を使うボランティアにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

語学力の向上・維持につながる

言うまでもないですが、英語を使い、コミュニケーションを取ることで英語を話す力は鍛えられます。ただ、日常的に使わなければせっかくの語学力が低下してしまうことも。ボランティアで英語を使う場を作ることで語学力の維持につながります。

外国人と交流することができる

ボランティア活動に参加するだけで、英語で外国人と交流する素晴らしいチャンスが得られます。近年、インバウンド旅行客や在住外国人が増えているため、自分から積極的に交流の場を作ることができます。少しの勇気で世界が広がるかもしれません。

異文化を知るきっかけになる

外国人との交流を通して、彼らの文化や価値観を知ることができます。こうした経験を積み重ねることで、視野が広がり、国際的な感覚を養うことができるのです。異文化を知る第一歩として、英語ボランティアに参加することもおすすめです。

ボランティアのための英語力を向上させるセミナーを紹介

「ボランティアに参加したいけれど、英語力に自信がない…」と感じている方もいるでしょう。そんな方には、ボランティア向けに英語力をアップするセミナーへの参加をおすすめします。まずは初心者向けセミナーを受講し、ボランティア参加への足がかりにしてみましょう。

ぼ活!の英語セミナー

日本財団ボランティアセンターでは、ボランティア向けの英語セミナーを開催しています。

外国人講師が担当し、英会話において必要な心構えやボランティア現場でのコミュニケーション術などについてレクチャーします。過去には、単語と単語がつながって聞こえるネイティブの発音の仕方といった実用的な講義などもありました。

「英語と日本語の本質的な違いが分かった」や「英会話の基本が学べた」など多くの感想が寄せられています。

過去に募集したボランティアで活きる英語のセミナーの募集要項はこちら

ぼ活!の手話セミナー

ボランティアで英語を学ぶ理由は、ボランティアの力を求めている人が英語でのコミュニケーションを必要としているからです。

つまり、ボランティアで必要となるコミュニケーション手段は「口で話す言語」だけとは限りません。

日本財団ボランティアセンターでは、英語と同じように「手話」を学ぶためのセミナーも開催しています。

「初めて」という初心者から受講ができるプログラムで、終了後のアンケートで「満足」と回答される方が多く好評です。

過去に募集したボランティアで活きる手話のセミナーの募集要項はこちら

まとめ

英語を使うボランティアにはいろいろな種類があります。参加できる英語力の基準があるものから、そうでないものまで幅広くあり、自分のレベルに応じて参加のチャンスがあります。ボランティアの重要な要素の一つは「自主性」です。「英語を使って誰かに貢献したい」というその思いがあるなら、英語力に関係なく立派なボランティアの仲間入りです。

セミナーや簡単なものからでも英語を使ったボランティアへの一歩を踏み出してみてはいかでしょうか。

無料会員登録でボランティア関連情報をいち早くキャッチ

「ぼ活!」の無料会員に登録しませんか?会員には定期的にメールマガジンが届き、いち早くボランティア活動やセミナーなどの情報をキャッチできます。実際に活動やイベントに参加するにも会員登録が必要なので、事前に登録をしておけばスムーズに申し込めることもメリットです。

会員登録はこちらから

ぼ活!についてもっと知りたい方はこちら

参考資料
・東京都産業労働局”令和6年度東 京 都 観 光 ボ ラ ン テ ィ ア募集要項”https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/r6_2024_new_volunteer_bosyu_yoko02 (参照2024-12-13)

・公益財団法人大阪国際交流センター”災害時外国人支援ボランティア募集(随時)”https://www.ih-osaka.or.jp/projects/development/saigaiji-volunteer/(参照2024-12-13)

・公益財団法人大阪国際交流センター”ボランティアの種類、活動内容、資格など”https://www.ih-osaka.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E4%BA%A4%E6%B5%81%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%8B_2403_%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8_1-PDF.pdf (参照2024-12-13)

・JICA”語学力審査について”https://www.jica.go.jp/volunteer/application/long/language/(参照2024-12-13)