ボランティアの基礎知識

有償のボランティアとは?支給内容の具体例やメリットを紹介

2025年3月17日
その他
有償のボランティアとは?支給内容の具体例やメリットを紹介

ボランティアの定義と有償ボランティア

被災地でゴミを分別するボランティア

ボランティアの定義

ボランティアの定義とは何でしょうか?ボランティアの語源をたどると、「自分の意思で行動する」という意味があります。ボランティアの定義とは「自発的な意志に基づいて、他人や社会に貢献する行為」のことを指します。

また、ボランティアには「4つの原則」があります。
4つの原則とは、①「自主性・主体性」、②「社会性・連帯性」、③「無償性・無給性」、④「創造性・開拓性・先駆性」です。

この4つの原則の中にある「無償性・無給性」と有償というのは矛盾するように思うかもしれません。ここでは、報酬や賃金を得ることを目的にはしていないことが大切であり、有償だからといってボランティアに該当しないというわけではありません。

ボランティアについて詳しくはこちら

有償ボランティアとは

では、有償ボランティアとは一体どのようなものでしょうか?有償というのは必ずしも金銭が支払われることを意味するわけではなく、ボランティアが円滑に活動ができるように、様々なものが支給されるケースがあります。支給方法や内容は多様で、Quoカードやボランティアに必要な備品(ウェアなど)の手配、食事の提供などが挙げられます。また、現地に向かうための交通費や宿泊費などが提供されるケースもあります。

利益追求を目的とした活動の一貫であることが多いアルバイトと異なり、有償ボランティアは、社会的な課題解決や地域貢献を目的としています。社会貢献に興味がある方は、ぜひ有償ボランティアを検討してみてください。

有償ボランティアのメリット

食事を食べるボランティアたち

有償ボランティアにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

有償ボランティアのメリットとしてまず挙げられるのは、金銭的な負担を軽減しながらも、社会に役立つ活動ができるということです。例えば、ご自身の住んでいる場所から遠い被災地があり、そこまでの交通費、宿泊費など多くの負担を考えた時に、「ボランティアはしたいけど、負担が気になる」といった方もいるかもしれません。そうした時に、交通費などの実費を負担するボランティアがあると、参加のハードルは大きく下がることになり、結果としてボランティア活動に参加する人数が増えるかもしれません。

また、ボランティアのユニフォームが魅力的で参加を決める人もいます。
今年の4月に開幕する「大阪・関西万博」では、ボランティアに支給されるニフォームが話題になりました。このユニフォームは活動後に記念品としてもらえるので、「ほしい!」と応募する人が増えたという報道がありました。

こうした仕組みのおかげで、活動をサポートしてくれる人が増え、参加した人も楽しい思い出が作れます。お金の不安が減ることや、記念になるものがもらえることは、若い人にとっても嬉しいポイントですよね。募集する側も参加する側も、どちらにとってもメリットのある取り組みと言えます。

有償ボランティアの例を紹介

草木の生い茂った大自然で並んでいるボランティア

有償ボランティアの種類は多岐にわたります。インターネットで検索するだけでも、子どもの学習支援のボランティアやイベントスタッフなど様々なものがヒットします。
ここではそうした有償ボランティアの中の一部をご紹介します。

さいたまマラソン2025 運営ボランティア

3月に開催される「さいたまマラソン2025 運営ボランティア」は、選手への給水や給食などを行うボランティアです。
大会で使用するオリジナルスタッフウェアやクオカード(500円分)が支給される予定です。

「さいたまマラソン2025 運営ボランティア」の募集案内(締切終了)はこちら

旅するボランティア

日本財団ボランティアセンターでは、「旅するボランティア」という企画の参加者を募集しています。

これは、日本全国のさまざまな地域を旅しながらボランティア活動を体験できるプログラムです。これまでの旅先は、日本最北端の北海道・稚内、鹿児島県の与論島や沖縄県の久米島などです。都市部ではなかなかできない体験をしながら、地域に貢献できるのが魅力です。

さらに、参加者の交通費や宿泊費は一切かからないため、「ボランティアをしたいけど、移動費がネック…」という方にもおすすめです。

「旅するボランティア」について詳しくはこちら

社会福祉協議会が主催するボランティア

埼玉県の蕨市社会福祉協議会や茨城県の土浦市社会福祉協議会などが行っているもので、住民同士の支え合いを目的とするボランティアです。日常生活で支援を必要とする人の依頼(掃除やゴミ出しなど)をボランティアが手伝い、依頼者から利用料を受け取ります。

商品券と交換できるポイントがもらえるボランティア

介護施設などでボランティアをすることでポイントがもらえる制度で、東京都八王子市や大阪府大阪市などの自治体で導入されています。ボランティアに参加可能な年齢は65歳以上や40歳以上と定められていて、参加者自らの健康維持や地域社会への貢献を目的としています。ポイントは自治体によって、商品券などとの交換や換金が可能です。

【実体験】 交通費支給ボランティアで感じた魅力

被災地でのボランティアに参加する澤邑颯さん

2024年、ボランティアセンターが主催した活動に参加した大学生たちに集まってもらい、座談会を実施しました。

その中で、参加者の澤邑颯(さわむら・そう)さんは交通費が支給されるボランティアのありがたさを話していました。
澤邑さんの感想をご紹介します。

「交通費を支給してくれるプログラムは、負担が少なく、全然自分が知らない街に行って、全然知らない人と知り合うことができるのはすごくありがたいですね。僕は東京の大学に通っているので、観光以外で地方に行くことが少ないです。なので、東京との生活の違いとかを知りたいという思いはありました。社会人になって東京以外へ転勤するのは少し怖かったんですが、ボランティアで何度も地方に行ったことで、最近は地方もいいじゃんって思います。就職先も全国転勤があるところを考えられるようになりました。(省)交通費が自己負担だと、これくらいのお金を使ったら、どれくらい得られるものがあるかを考えちゃうかもしれない。逆に交通費の負担が少ないと、実際何も得られなくてもいいやって思いながら気楽にできます」

澤邑さんがボランティアについて話した座談会の前編はこちらから

澤邑さんがボランティアについて話した座談会の後編はこちらから

まとめ

有償ボランティアについて理解が深まりましたか?ボランティアをするのだから、無報酬でなければいけないという見方もありますが、全て実費のボランティアに足がすくんでしまう場合は、負担を少なくするボランティアを選んでみるのも手です。

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参考資料
・読売新聞”万博ボランティアなぜ人気?目標の2・8倍の応募で定員を1万人増…ユニホーム話題、グループ参加OK”https://www.yomiuri.co.jp/expo2025/20240605-OYO1T50051/(参照2025‐3‐5)

・社会福祉法人蕨市社会福祉協議会”有償ボランティアサービス事業”https://warabisyakyo.org/jigyo/paidvolunteers/(参照2025‐1‐24)

・厚生労働省老健局”ボランティアポイント制度導入運用の手引き”https://www.mhlw.go.jp/content/000761589.pdf(参照2025‐3‐6)

・社会福祉法人土浦市社会福祉協議会”友愛サービス事業”http://www.doshakyo.or.jp/02_02.html(参照2025‐03‐06)

・大阪市”介護予防ポイント事業”https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000330868.html(参照2025‐03‐06)

・八王子市”高齢者ボランティア・ポイント制度”https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/welfare/004/004/001/p003861.html(参照2025‐03‐06)