レポート&コラム

パリ2024オリンピック・パラリンピックのボランティア最新情報!
人気講座「フローラン・ダバディとフランスを学ぶ」においてダバディさんが組織委員会担当者にインタビュー

2022年3月7日
スポーツ グローバル
パリ2024オリンピック・パラリンピックのボランティア最新情報!<br>人気講座「フローラン・ダバディとフランスを学ぶ」においてダバディさんが組織委員会担当者にインタビュー

「ぼ活!」セミナーで2021年10月に開講した「フローラン・ダバディとフランスを学ぶ ~EN ROUTE VERS PARIS 2024~」は、好評につきDay6までのシリーズで開催しています。

そのDay4とDay5には、特別ゲストとしてパリ2024大会組織員会でボランティアを担当するアレクサンドルさんが登場し、ダバディさんがオンラインでインタビューしました。2回にわたって紹介されたパリ2024大会のボランティア活動の概要をリポートします。

※インタビューの内容は2021年12月10日時点のものです。

パリ2024大会の開会式は水上スペクタクル!

まずはパリ2024大会の開会式の話題から。Day1でダバディさんが話していたとおり、セーヌ川を使った開会式となることが2021年12月13日に正式決定されました。

ダバディさんは開会式をイメージしたCGを示しながら「セーヌ川での開会式が決定しました。アスリートたちはペニッシュと呼ばれる船で登場します。時間帯は日が暮れる直前。夏で日が長いので、18~19時ですがこの明るさです。船はノートルダム大聖堂やルーブル美術館の横を通ってエッフェル塔にたどり着きます」と話しました。また、長時間にわたる開会式は選手の負担になるため、選手の登場時間は1時間半とこれまでより短くなることも教えてくれました。

優雅な開会式となること間違いなしです。ここからは、パリ2024大会のボランティア募集や応募条件、スケジュールなどアレクサンドルさんからの貴重な情報をお届けします。

2023年2月にボランティアの募集開始!

ダバディさん(以下、ダバディ) 日本のボランティアからたくさんの質問が届いています。今はまだ答えられない質問もあるかもしれませんが、日本のみなさんの代わりに聞いていきたいと思います。今回のパリ大会では外国人ボランティアも参加できますか?

アレクサンドルさん(以下、アレクサンドル) パリ2024大会のボランティアはフランス人やフランス在住の外国人はもちろん、全世界から応募可能です。これまで開催国以外のボランティア枠は平均して5%でしたが、今回もそのくらいの割合をめざしています。

ダバディ もう募集のスケジュールなどは決まっているのでしょうか?

アレクサンドル はい、決まっています。募集サイトが2023年2月にオープンし、そこから1か月間の募集となります。興味のある方はお早めにお申し込みください。そして2023年9月に応募結果の発表が行われますので「https://www.paris2024.org/en/」もしくは「https://club.paris2024.org/home」という私たちの公式ウェブサイトをチェックしてください。

ダバディ その公式サイトにボランティアの最新情報も載っているということですか。

アレクサンドル はい。ボランティアに関する情報は公式サイトを見てください。そこにはボランティアのための動画やみなさんの疑問をまとめたQ&Aもあります。

そしてもちろん公式SNSもあります。FacebookInstagramTwitterなど各SNSでパリ2024年大会についての最新情報をフォローできます。ただし、SNSはボランティア専用というわけではありません。

ダバディ ボランティアへの応募条件のうち、言語についてはフランス語と英語ができることが必要でしょうか?

アレクサンドル フランス語か英語のいずれかを話すことができれば大丈夫です。両方を話す必要はありませんが、一緒に活動するチーム内で会話ができるのが条件です。

ダバディ なるほど分かりやすいですね。すでにどちらかは話すことができるという人は大丈夫ですし、そうでない人も準備の時間はまだたくさんありますね。

他に応募にあたっての条件はありますか。例えば障害のある人もボランティアに参加できるのかという質問もいただいています。

アレクサンドル まず、2024年1月時点で18歳以上であることが参加の条件になります。東京2020大会のボランティアの最高齢は91歳でしたが、その記録を塗り替えたいと思います。あらゆる世代のボランティアを歓迎しますし、もちろん身体に障害のある方や知的に障害のある方も歓迎します。私たちも受け入れていきたいと思いますし、フランス政府としても今大会で障害のある方を優先して受け入れていくことで、ダイバーシティを実現していきたいと考えています。

ダバディ 「多様性と調和」は東京2020大会のテーマのひとつでしたので、それはとてもすばらしいですね。障害のある方が5%の外国人ボランティアの中にもいらっしゃるでしょうね。

ロンドン2012大会のときは、ボランティア参加にあたって就労ビザが必要でしたが、今大会でも就労ビザが必要でしょうか?

アレクサンドル フランス政府の見解としては、ボランティアは労働ではないということです。つまり労働ビザではなく、普通の観光ビザで大丈夫です。

大会ボランティアのほか、パリ市などの自治体が都市ボランティアを募集

ダバディ 次は会場に関しての質問です。パリ大会でのボランティアの活動場所について何か情報はありますか?

アレクサンドル パリ大会におけるほとんどの競技会場は有名な観光名所でもあります。例えばエッフェル塔の下(ビーチバレー)やベルサイユ宮殿(馬術)、グラン・パレ(フェンシング)など。もちろん競技会場だけでなく、空港や駅、選手村や練習会場へもボランティアは配置される予定です。

ボランティアの採用に際してはアンケートを行い、個人の希望やスキルにあった役割を案内するほか、それぞれの宿泊場所からの距離も考慮に入れて決定します。

もし大会ボランティアに落選してしまった場合、パリ市でも独自にボランティアの募集を行っています。これは東京2020大会の都市ボランティアのように、観光客向けに案内を行う役割です。パリ市や他の自治体のボランティアにもぜひ応募してみてください。

ダバディ それは私も知りませんでしたので、ぜひお伝えしたいですね。それぞれに申し込むことで、活動できる可能性が増えそうです。

ダバディ 次は少し気が早いかもしれませんが、宿泊場所についての質問です。パリ市内の宿は高額というイメージがありますし、治安への不安もあります。ボランティア用の宿が用意されるということはありますか?

アレクサンドル まず誤解してほしくないのですが、パリのほとんどの場所は治安に問題はありません。その上で、主催者側で宿泊場所の用意は行わないので、ボランティアの方々は各自で宿泊の手配をお願いします。

ただ活動中の食事は提供されますし、公共交通機関を使ってのパリ市内の移動はすべて無料となります。

ダバディ ボランティア向けの研修プログラムについては、募集開始となる2023年2月から提供されるのでしょうか? また、それを日本の方々が受講する手段はありますか?

アレクサンドル 2022年末までに一般の方がアクセスできるコンテンツとして、一般公開されるプログラムがあります。オリンピック、パラリンピックを知りたい人やフランス語でボランティア活動をしたい人も利用可能です。英語版もあります。

パリ20214大会のボランティアに対しては2023年の9月に採用かどうかをお知らせし、そこからトレーニングを受けることになります。わざわざパリを訪問しなくても受けられるオンラインのトレーニングも予定しています。

ダバディ 誰にでも受けられるプログラムがあるのは良いですね。では最後の質問ですが、日本のみなさんはパリ大会のボランティアにどのようなグッズが配布されるのかをとても楽しみにしています。ボランティアのユニフォームについてなど、お答えできる範囲で教えてください。

アレクサンドル ボランティアのユニフォームはデカトロンが担当します。フランスで最も人気のある総合スポーツ・ブランドです。現在デカトロンと協力して快適なユニフォームを製作しているので、それらをお土産として持ち帰るのを楽しみにしていてください。それ以外にもグッズはありますが、まだお知らせすることができません。でもピンバッジに力を入れるつもりです!

ダバディ なるほど、コレクターの方には朗報ですね。たくさんの質問にお答えいただき、ボランティアのみなさんはモチベーションを高めることができると思います。

アレクサンドル ボランティアプログラムに関心を寄せてくださった日本のみなさまに感謝します。今後も何かご質問があれば喜んでお答えします。

ダバディ アレクサンドルさん、ありがとうございました。

インタビューを終えて、ダバディさんが少し補足しました。英語のレベルについては、「試験があるわけではないようです。流ちょうな英語ではなくても、ボディーランゲージや片言の英語で上手に伝えられれば大丈夫。ミーティングで最低限の理解ができればよいので、きわめて高いハードルというわけではないという気がします」とのこと。

また、ダバディさんが最も注目したのは、誰でもアクセスできるボランティア向けのプログラムです。「良く作られていたら、とても楽しそうですね」と話します。

ユニフォームを担当するデカトロンについても、自転車やラケット、ユニフォームなどさまざまなスポーツ用品を扱う大手スポーツメーカーで、クオリティが上がっていると話し、「デカトロンのユニフォームはかなり期待できると思っています」と太鼓判を押しました。

具体的な情報がたくさん出てきて、自分自身がボランティアする姿がイメージできますね。パリ2024大会の新たな情報についてもまた随時ジャーナルやセミナー等でお伝えしていきます!

  • TOP
  • レポート&コラム
  • パリ2024オリンピック・パラリンピックのボランティア最新情報!
    人気講座「フローラン・ダバディとフランスを学ぶ」においてダバディさんが組織委員会担当者にインタビュー