ボランティアの基礎知識

大学生ボランティアのメリットは。おすすめの活動と体験談

2024年8月23日
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大学生ボランティアのメリットは。おすすめの活動と体験談

大学生ボランティアのメリットは。おすすめの活動と体験談| ぼ活!

更新日:2024/11/15

学生のボランティアに対する意識調査、「興味あり」は6割超!

ボランティアに関する興味の有無を表したグラフ

「大学生で時間はあるけど、ボランティアとなると足を踏み出せない」「実際、学生でボランティアをやっている人はどれくらいいるのだろう?」。この記事を見ている方の中にも、ボランティアに興味はありながらも、思い悩んでいる方が少なからずいるかもしれません。

日本財団ボランティアセンターは、2023年に大学生や大学院生などのボランティアに関する意識調査を行いました。2017年に行った同様の調査結果も交えながら見ていきましょう。

調査は18~26歳の大学生、大学院生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校生を対象にして行われ、全国から1万人が回答しました(高校生は対象外)。ボランティアへの興味について聞いたところ、2017年・2023年ともに「興味がある」と答えた人は60%以上。過半数の学生がボランティアに興味を持っていることがわかりました。

学生ボランティアへの参加はハードルが高い?

ボランティアに関する興味の有無を表したグラフ

また、過去1年間の間に実際にボランティアをしたことがあるのか聞いたところ、「ある」が24.7%で、「ない」が75.3%でした。しかし、過去1年間にボランティアに参加しなかった学生75.3%のうち、57.5%がボランティア活動への参加を希望していました。活動に参加していない学生の多くが興味を持ってはいるものの、参加まで踏み込めないケースが多いようです。

内閣府による2019年の調査によると、ボランティア活動への参加の妨げになる大きな要素として、「参加する時間がない」「ボランティア活動に関する十分な情報がない」などの理由があげられました。

しかし、学生にとってボランティア活動への参加は社会に出る前に、いろいろな人と関わり、自らの視野を広げるチャンス!

ボランティア活動への参加を検討されている方は、ぜひこの記事を最後まで読んで学生ボランティアの基礎知識を学び、ボランティア選びに生かしてください。

大学生がボランティア活動を通じて得られるメリット

学生ボランティアのメリット1:「ガクチカ」になる

学生時代に最も力を入れたことのアンケート結果

学生生活を送る中での関心事の一つに「就職活動」があるかもしれません。インターンシップや就職活動の選考の過程で耳にする言葉に「学生時代に力を入れていること、入れたこと(ガクチカ)」があります。

調査ではガクチカについても聞いています。自身のガクチカとして「ボランティア」と回答した学生は2.5%でしたが、そのうち85.6%が過去1年間にボランティア活動に参加していました。

就職活動のサイト「リクナビ」によると、『ガクチカに関する質問には、学生が自由意思で何に取り組み、どのくらい頑張れたか?という「自発性」を知ろうとする意図があります』とのことです。

ボランティアには大切な4原則があり、その一つ目に上げられるのは『自分から進んで行動する「自主性・主体性」』です。自主的に何かに取り組んで考える機会になるという意味では、ボランティアの経験はガクチカとして十分にアピールすることができます。

▼ボランティアの4原則についてはこちら
ボランティアとは?活動の定義や具体例をわかりやすく紹介

学生ボランティアのメリット2:視野やコミュニティーがひろがる

学生ボランティア活動を通して得られたことを表したグラフ

学生ボランティアのメリットとして、視野やコミュニティのひろがりもあげられます。

学生へのアンケートで最も多かった意見は「さまざまな人との交流ができた」(59.4%)で、続いて、「人の役に立てた」(56.1%)「新しい体験ができた」(51.3%)でした。また、「視野が広がった」や「新しい知見が得られた」という回答も多く寄せられています。

学生時代に、学内にとどまらない視野や経験の獲得でき、さまざまな人と出会えることはという点で、ボランティアは大きな意義があるといえそうです。

ボランティアに参加した学生の声

ボランティア活動の一環で木を見つめる学生

では、ボランティアに参加した学生から聞いた生の声をご紹介します。

「自分とはバックグラウンドの異なる新しい人と出会えました。(中略)自分たちがしているボランティア活動(私がしているのは些細なお手伝い程度)に対して、地元の方々が非常に感謝してくださっていることに驚きました」

「普段、関わらないような様々な人達と関わることができて、良い経験になりました」

「新たな輪が広がって、多様な価値観を持った多様な年代の方々と関われたことが、とても嬉しかったです」

「マラソン大会の給水係で、ランナーからありがとうと言ってもらえたり、笑顔をもらったりできて、とても良い経験でした。ひたすらドリンクをコップに注ぐ役割でも、一緒に活動したメンバーと声を掛け合って効率的に進めることができました。異なる世代の人と話せる機会はなかなかないので、とても良い出会いでした」

「私は、初対面の人と距離を縮めるのがまだ少し苦手なのですが、ボランティアに参加している方々とはすぐに親しく話せるようになれます。コミュニケーション能力は、なにも参加者同士だけでなく、当たり前ですが来場者の方々に対しても活用できるので、どのように幅広い年代、性格の方々と接していくかを、私もさらに学ばないといけないなと強く感じました」

以上は、日本財団ボランティアセンターが募集したボランティア活動に参加した、一部の学生の感想です。調査結果にもあった他人の役に立てることやコミュニティーの広がりなど、学生からのポジティブな意見が多く寄せられています。

学生ボランティアのメリット3:幸福度が増す

ボランティア活動と幸福度の関係性を示したグラフ

今回の調査では、ボランティアへの興味や参加経験があるほど、幸福度が高い傾向にあることもわかりました。

幸福度についての調査で7点以上(1点が最も低く、10点が最も高い)をつけた割合が「ボランティアへの興味あり、活動あり」では70.7%に対し、「ボランティアへの興味なし、活動なし」では64.2%でした。ボランティアへの興味や活動経験がある方が、幸福度が高い結果となりました。

このことから、ボランティアに興味を持って経験した人の方が、未経験の人よりも幸福度を感じているとの見方ができそうです。

▼アンケートの結果はこちらから
全国学生1万人アンケート~ボランティアに関する意識調査2023~

大学生におすすめのボランティア活動は?

マラソンのボランティアでのぼりを持つ学生

ボランティアと言って何を思い浮かべますか?「ゴミ拾い」「被災地支援」など、このページを見られている皆さんにも漠然としたイメージはあるかと思います。ここでは、8種のボランティア活動の内容と、そのなかから学生におすすめのボランティア活動例をご紹介していきます。

基本的なボランティア8種類

まちづくり・まちおこしボランティア

まず、最初に「まちづくり・まちおこし」のボランティアです。例としては、遊歩道などの花壇の管理や空き家問題への取り組みなどが挙げられます。

空き家は景観のみならず、倒壊や不法侵入など様々な問題の原因となりえます。自分に関わりのある地域での活動なので、モチベーションが上がりやすく、居住地から活動場所が近いところでは、学生でも参加しやすいでしょう。

子ども・青少年育成ボランティア

子ども・青少年育成ボランティアには、「読み聞かせ」「子ども食堂での活動」などが含まれます。

小さな子どもから中高生まで幅広い年代の子どもを対象とした活動があります。

地域安全ボランティア

「防災活動」や「防犯活動」、「交通安全」など安全に関わるものが含まれます。

具体例としては、子どもたちの登下校時の見守り、地域の防犯パトロールなどです。安心で住みやすいまちづくりのための大切な活動です。

自然・環境保全ボランティア

自然・環境保全ボランティアは、地球温暖化をはじめとする環境問題が注目を集める昨今において、大切な活動のひとつです。

「ゴミ拾い」や「清掃活動」、「植樹」、「森林間伐」などの取り組みが挙げられます。代表的なゴミ拾いのボランティアは、全国各地で定期的に行われており、老若男女問わず参加しやすい活動です。

▼ゴミ拾いボランティアについて詳しくはこちら
海のゴミ拾いボランティア活動。初心者でも参加しやすい活動や参加方法

保健・医療・福祉ボランティア

ここには、「介護・福祉施設での傾聴活動」や「献血」などが含まれます。高齢者や障害のある方の身の回りのお手伝いを行ったり、話し相手になったりします。

献血は、自ら血液を提供すること以外にも、呼びかけや献血会場での案内などもボランティアに含まれます。

芸術・文化・スポーツボランティア

美術館や博物館での案内や解説スポーツ大会・イベントでの運営サポートなどが含まれます。

オリンピック・パラリンピックなど大きなスポーツ大会には、ボランティアは欠かせない存在です。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、延べ7万6,186人のボランティアが参加しました。

▼スポーツボランティアについて詳しくはこちら
スポーツボランティアとはどんなもの?活動例や参加するメリットを紹介

▼パラリンピックボランティアについて詳しくはこちら
「大会の成功」を陰から支える。パラリンピックボランティアの活動例と体験談

災害救助支援ボランティア

災害ボランティアとは、地震や水害、火山噴火などの大規模な自然災害が発生したときに、被災地や被災者のために行う支援活動です。

近年では、2018年に岡山県や広島県を襲った西日本豪雨、2024年の元日に石川県などを中心に大きな被害を出した能登半島地震といった大規模災害で、ボランティアの方々の活動が注目を集めています。被災現場に集まって活動をする方々の姿をテレビやネットニュースなどで見たという方も多いかもしれません。

活動の具体例としては、被災地での泥出しや清掃、炊き出しのほか、支援金や義援金の寄付なども含まれます。

▼災害ボランティアについて詳しくはこちら
初めての方向け。災害ボランティア活動への参加方法や心得【基礎知識】

国際協力・交流ボランティア

最後に紹介する国際協力・交流ボランティアは、大きく分けて国内で行う活動と海外で行う活動に分かれます。

国内での活動では、日本に住む外国にルーツを持つ方や難民の方の困りごとへの支援が該当します。海外の活動では、現地の学校や施設を訪問して教育や保健衛生、医療の支援活動などを行ったり、森林保護のための植林活動などを行ったりします。

学生におすすめのボランティア活動例

これら8つに分けたボランティア活動のうち、大学生におすすめしたいものはこの4種類になります。
・まちづくり・まちおこしボランティア
・自然・環境保全ボランティア
・災害救助支援ボランティア
・国際協力・交流ボランティア
まちづくり・まちおこしボランティアや自然・環境保全ボランティアは、自宅から近い場所で活動ができたり、専門知識が必要とならない点で、参加のハードルが低くおすすめします。

また、長期の休みを利用して取り組みたいという学生向けには、災害ボランティアや海外での国際協力ボランティアも選択肢になります。

学生ボランティアの探し方と参加方法

ボランティアで誘導を行う学生

ボランティアサークル、学生団体から

学生に身近なところから参加する場合、学内のボランティアサークルや学生団体があります。自分の所属する大学のサークルや学生団体を検索し、参加してみましょう。

大学外のNPO・ボランティア団体のサイトから

サークルなど学内にあるものに限らず、学外にあるNPO法人やボランティア団体からも活動に参加することができます。

大学内だけでなく、学外にもボランティアを始められるきっかけはあり、NPO法人やボランティア団体では様々なボランティアを募集しています。例えば「NPO法人海さくら」さんでは、神奈川県藤沢市の江の島にかつて生息していたタツノオトシゴが戻ってくるようなキレイな海にするため、毎月のゴミ拾いイベントなどを行っています。

どんな団体があるのかインターネットなどで検索をしてみましょう。

最寄りの社会福祉協議会のボランティアセンターから

社会福祉協議会は、それぞれの都道府県、市区町村で、地域の方々が住み慣れたまちで安心して生活をすることのできる「福祉のまちづくり」実現のために活動する民間組織です。その多くにボランティアセンターが設置され、ボランティアに関するご相談に応じています。

学生とボランティアをマッチングさせるイベント

ボランティアと学生のマッチングイベント開催

日本財団ボランティアセンターが主催し、学生がボランティア団体から直接活動内容の説明や質問に答えてもらえるイベント「社会にイイコト勢揃い!大学生のためのボランティアEXPO」が2023年5月大阪で開かれ、123人の学生が来場しました。

まず、出展している全団体が1分間でプレゼンテーションを実施。その後、学生が興味を持った団体のブースに足を運んでより細かい説明を受けました。出展団体には、国際支援、子ども支援、スポーツ、環境、福祉、災害の多様な分野から、関西地方を中心に活動を行うボランティア団体やNGO、NPO法人など16団体が出展しました。また、ボランティア活動の始め方に悩む学生には、学生スタッフが活動の始め方や自分に合う活動の見つけ方をアドバイスしました。

参加した学生の感想

関西の大学に通う1年生(当時)の女性は、ひとりで参加するのは心細いという理由で友人と2人で参加していました。イベントを受け「今までは『参加する』という一歩を踏み出す勇気を持てずにいましたが、今後は、このイベントをひとつのステップとして、積極的にボランティアに参加することで困っている人の力になりたいです」と強く語っていました。

同じく関西の大学に通っている3年生(当時)の男性は、新型コロナウイルスの影響で課外活動が制限されていた2年間を振り返り、残りの大学生活で何かに挑戦したいという思いで参加したということです。

ほかにも来場者からは「ボランティアを通して、これからも自分の興味関心を広げていきたい」「ボランティア活動で、大学外に新しい友人を作りたい」といった声が聞こえてきました。また、会場に来た多くの学生が話していたのは、今後のボランティア活動への期待や希望でした。

「ボランティアをしたいけど、どうすればいいのか分からない」「どんなボランティアがあるのか分からない」など、悩んでいる学生はこうしたイベントで同じ学生がたくさんいる場に行き、自分に合った活動を探してみるといいかもしれません。

▼過去に行われたボランティアEXPOの詳細はこちらから
ボランティア活動へ踏み出す大学生に"追い風"を。「大学生のためのボランティアEXPO in 大阪」初開催!

まとめ

学生時代にボランティアを始めることにハードルを感じている人が多いかもしれません。ただ、実際に経験した学生の多くがボランティアを通じて得たものがあると話しており、有意義な時間につながる可能性は高そうです。

ボランティアを始める入り口は学生の周りには多く存在します。あまり気張らずにぜひ門を叩いてみてください。新しい出会いや視野の広がりがそこにあるかもしれません。

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参考資料

・公益財団法人日本財団ボランティアセンター”ボランティア調査報告.全国学生1万人アンケート~ボランティアに関する意識調査2023~” https://www.volacen.jp/project/research/survey/no_17/ (参照参照-2024-07-10)

・内閣府”令和元年度 市民の社会貢献に関する実態調査” https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/r-1_houkokusyo.pdf (参照参照-2024-10-25)

・リクルート ”ガクチカ”とは?探し方、書き方・構成のコツを解説【例文5つ】”https://job.rikunabi.com/contents/howto/18900/ (参照参照2024-07-10)

・公益財団法人日本財団ボランティアセンター ”ボランティアの基礎知識 ボランティアの8つの種類と活動内容。社会人や学生におすすめの活動とは” https://vokatsu.jp/knowledge/type/#toc___12 (参照参照2024-07-10)

・内閣府大臣官房政府広報室 ”空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!” https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html (参照参照2024-07-10)

・日本赤十字社 ”献血のボランティアに参加したい”https://www.jrc.or.jp/donation/join/ (参照参照2024-07-10)

・NPO法人海さくら ”海さくら 目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!”https://umisakura.com/(参照参照2024-07-10)

・全国社会福祉協議会 ”職員採用案内 社会福祉協議会とは” https://www.shakyo.or.jp/recruit/about/index.html (参照参照2024-07-10)

・公益財団法人日本財団ボランティアセンター ”レポート&コラム ボランティア活動へ踏み出す大学生に"追い風"を。「大学生のためのボランティアEXPO in 大阪」初開催!” https://vokatsu.jp/journal/20230616/ (参照参照2024-07-10)